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2011年2月21日月曜日

年末商戦に向けて

 年末商戦に向けてのゲームビジネス展開について考えてみる。3DSは本体をジワジワと出荷し、年末に大作をぶつけてくるプランで間違いないだろう。春、夏、秋にそれぞれ出荷の伸びそうなソフトを用意するはずで、例えば、春はパイロットウイングス、夏はゼルダ、秋はマリオカートといった形でリリースし、3DSの息切れを感じさせない展開を目指すはずだ。無理のない出荷を続けることで、本体出荷数と遊べるソフトを増やしておく計算だ。

 NGPは年内発売なので、11月か12月といった年末商戦に向けてハードとソフトを次々に展開する流れだろう。出荷数は不透明だが、話題性のある新製品なので品不足になる可能性が極めて高い。3G月額が余程高額でない限り、NGPは瞬殺となるだろう。

 2011年末は、そろそろ遊べるソフトが揃ってきて本体を入手しやすい3DSと、人気沸騰だがまず買えないNGPの競争となる筈だ。ただ、2012年に踏み込むと、3DSが苦戦する展開しか想像できない。

 3DSの戦略は堅実だが、独善的でもある。DSから3DSの買い替えがすんなり進むとは考えにくい。買い替えが進まないのは、普及しすぎたDSの負の遺産でもある。既に3DSのレイトン教授がDS本体で遊べると勘違いしている消費者が話題になっているが、こういった例は多発する筈だ。「3D機能をOFFしたDS版レイトンを出せ」という圧力の高まりすら発生するかもしれない。DSが延命すればするほど、3DSは死にハードになる。DSで十分だという消費者に、3DSをどう売るのか。その答えはまだ見えていない。

 3DS発売のTV報道も3DSとNGPがセットで扱われる事になるだろう。それも3DSの不利に働く。対するNGPは新製品としての話題性十分で、出荷されれば放っておいても売れる状態だ。SONYが言うとおりNGPの価格が手頃なら、売れない理由はない。

 任天堂は正直、今年の年末商戦までのことしか想定していないように感じられる。立ち上がりに苦しむSONYに先行できるだけ有利という判断だったはずだ。しかし予想外にNGPは開発しやすく、開発しがいがあるという評価が出ている。DL販売による互換性で、初期ソフト不足もある程度は対策が可能だ。3DSが生き残るためには2012年以降のソフトが充実している必要が出てきた。しかし任天堂にはまだそこまで見えていない、計画していないのが現実だろう。

 NGP販売後に、3DSに商品としての魅力が残るかは疑問だ。DS未満の普及状況で、NGP以下の性能で、価格的にも大差がない。3DSの旬は2012年頭までで、それ以降はNGPが圧倒的ということになりかねない。Wiiにはまだドラクエが残されているが、そんな具合に誰もが購入する国民的タイトルを2012年に登場させないと、任天堂としてはかなりマズイ展開になるはずだ。

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