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2012年7月20日金曜日

Nexus Qはパーティー用?

Nexus Qを見て何を思い出すかといえば、Appleの20周年ハード、スパルタカスである。アップルに理想を具現化したハードといわれたが、88万円とバカみたいな値段で性能も価格に見合ってはいなかった。97年の製品なので今は昔のことになるが、当時でもパソコンとしては異常な高さの製品だった。性能がとびぬけていいわけでもなく、CPUもハイエンドの604でなく、下位の603evだった。実際売れ行きも悪かったが、拡張性やCPUがネックで、値下げしても売れるようなものではなかった。ただ、マックの文化といえば元々そんなものだったらしいが。

 Nexus Qは音質に自信があるというが、スパルタカスもBOSEのスピーカーを使用した音質重視のモデルだった。そんなところが印象が被るのかもしれない。ただ、デジタル接続ならそこまで音質に差はないのではないかと思うし、Nexus Qはそもそもテレビに接続して使用する製品である。音に無知な私は、適当な外部出力を用意してやればそれで事足りるのではないかと思ってしまう。オーディオに関心がある層なら、すでに適切なAVアンプを購入済みだろう。その一方で有線が100BASE-Tだ。ネットワークが基本なのだから、1000BASE対応するべきでなかったかと思う。この辺りはコストと割り切り、無線主体という事かもしれない。私とは価値観が合わないのだろう。以上は私の先入観だが、大概の消費者の第一印象と大差ないのではないかと思う。

 現時点ではNexus Qは接続性が重視された、日本メーカーの高級オーディオアンプ的な側面が強そうだ。

 実際、Nexus Qの機能の大半は音楽や動画の再生のようで、それも同一ネットワークに接続した複数のアンドロイド携帯でゲスト操作できるようだ。ネットワークの有線軽視は、このアンドロイドのユーザー層を考慮しているようだ。スマフォユーザーなら自宅にWi-Fi環境があるという見込みなのだろうし、携帯のデータ通信費ないし速度を考慮すると、自宅に無線LAN環境があるという見込みは間違ってはいないということになる。そもそもアンドロイド携帯と連動して使用する装置であるわけだし。

 ホームパーティーで、Nexus Q環境があれば、自由に動画や音楽が追加されて盛り上がる。そんなアメリカ的ナイトライフが基本なのだろう。新作映画を持ち込んでみんなで見る用途もあれば、単に音楽の曲数を増やす、あるいは結婚式で参加できない友人のビデオを流すなんて用途もアリだ。こうなってくると、むしろホテルやレストランといった空間に備わっているべき機能となっていく運命に思える。ルーム環境のゲストへの開放、これがコンセプトだ。DVDに加工してわざわざ持ち込まなくても、携帯に入っているものを引き出せる。これは悪くないコンセプトだ。ウェディング業界やプレゼンテーションの勢力図が塗り替わるかもしれない。プレゼンは現状パワーポイントやキーノート主体だが、次のステップではビジネス用途に踏み込めるかもしれない。

 プレゼンはAppleがiPadで目指しつつ確保できていない市場だが、アンドロイドにもタブレットはあるので、ルーム環境がゲストに解放される、この理念が広く理解されると一気に切り替わるかもしれない。但し、現時点では操作端末からのデータの転送は行われず、管理情報を送るだけで、クラウド上のファイルを再生する事になる。YouTubeの限定公開等の機能を使えばプライベートな映像の上映もある程度は実現できるが、ちょっとパンチ不足といえる。

 それでもAppleTVに比べて外部出力装置としては確かに進歩しているようだ。これは完全に予想外だった。ただし、一般ユーザーのイメージは、最初に述べたアップルのスパルタカス的キワモノ製品でしかないだろうし、大半の人は存在を知りもしないだろう。Googleのコンセプトも、単なるパーティー用としか考えていないきらいがある。スティーブ・ジョブズのプレゼン能力はおそらくこのような製品に対して最も威力を発揮したはずだ。彼は、出来上がった製品の魅力的使用法を語る能力が極めて高かったし、それを行う最適な地位にあった。

 今の環境で、Nexus Qの魅力が消費者に伝わるかどうかは疑問だ。携帯市場シェア的な話にもなるだろうが、iOS環境でこれをやれば世界を制したかもしれない。が、アンドロイドはあくまでも対抗品的な立ち位置な上に、この秀逸なアイディアをPRできるようには見えない。結局、Appleが模倣して、次のAPPLE TVでゲストへの公開という機能を盛り込んでしまえば、iPhoneを擁するアップルが勝つだろう。コンセプトは秀逸だが、そもそもはAppleのアイディアの模倣でしかない訳で、Appleがその先へ進んでしまってもいいわけだ。

 GoogleやAppleの今後を占う戦略製品としては実に興味深い製品なのだと感じているが、よほどPRに力を入れない限り、売れる要素は見当たらない。ただ時代の指し示す方向性としては興味深く、スマフォと社会のつながりはこんな風に具現化していくのだろう。有線なんてもう古いのだ。惜しむべきなのは、GoogleがコンセプトのPRやキャッチコピーに力を入れているように感じられない点だ。今後の課題はそこだろう。ジョブズが行ったように、消費者は啓蒙しなくてはならないのだ。その実践が、Googleの成長に大きく影響するに違いない。

2012年7月3日火曜日

LINKSTATIONとOS9

親戚の会社ではPCとリースしたNASを接続している。リースしたNASなど金の無駄だと言ったがコピー機の契約と一緒だからと聞き入れない。で、リースの期限が切れて返却することになって、データをうつしたいと泣きついてきた。

 私は簡易NASのLINKSTATIONを所有している。B級品で1TBが5800円だった。大したデータ量ではないので、一部を提供する事にした。

付属ソフトのNAS NAVIGATR2でIPアドレスがわかるので、OS9のAPPLETAIKからIPアドレスを直打ちする。がサーバーの応答がない。APPLE TALKの設定はイーサネットになっているし、DHCPサーバーもあっている。LINKSTATIONのWEB設定を確認すると、AFP機能がOFFになっていた。AFPはMacとの共有機能なので、WEB設定でONにしてやる。ついでに、WEB設定でIDとパスワードを設定してやる。

AFPがONになってさえいれば、APPLE TALKでIPアドレスを打てばアクセスが可能だった。あとはIDとパスワードを入力すれば問題なくアクセスできた。OS9はまだいいが、古いMACの中のファイルは意外と移しにくい。USBがなく、昔はフロッピーでやりとりしてたファイルなど最悪だが、AFP機能付きのNASがあれば楽なのかもしれない。