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2011年3月31日木曜日

対処法の確立

 奇妙な話だが、我々は文明的な生活をしている。文明的な生活とは、社会の役割分担がきちっと確立している生活で、日本は特にその傾向が強いかもしれない。文明的な生活をしている利点は、何か問題が発生した時、その解決法を自分でない誰かが見つける確率が高いことだ。そうやってその文明は維持されている。

 震災発生による悪影響は非常に多いし、その中には火事場泥棒や買い占め行為といった人為的な原因もある。しかしその一方で、人の知恵によって解決策が示され、解決した案件も多い。

 今日、スーパーなんかに設置されている浸透膜法式の浄水器が、水道水中の放射性物質除去に極めて有効なことが分かった。スーパーの行列がすごいことになりそうだが、もとは水道水なので、ミネラルウォーターを輸送するより遥かに低コストで、確実に安全なはずだ。この技術は抜本的な対策になりえるので、各地の浄水場に設置が進み、水道水がより安全になるかもしれない。

 単一電池買い占めの問題もある。未だに電池は見かけないが、より有り触れた単三電池を流用すれば、単一電池のスペーサーは製造可能だという話があり、具体的な製造方法も公表されてる。スペーサーを買えれば一番いいが、それまでのつなぎは十分可能な見通しが立った。

 電力消費量や放射線に関しては、すでに民間や研究機関の公表している数値をまとめるサイトができているし、風向きを取りまとめているサイトもできている。また、民間企業/工場の発電設備を利用し、東京電力への電力提供が行われている。電力の受給状況をチェックし、真夏は深夜に電力を多く消費する工場を稼働させるなどすれば、だいぶ停電状況は回避できそうだ。

 ガソリン問題に関しても、自衛隊が仮設のガソリンスタンドを設置することで解決しそうだ。ガソリンが津波で流されたわけでなく、単にガソリンスタンドと輸送手段、及び買い占めが原因だから、安定的供給が問題解決の道なのは当然だし、自衛隊は隊内業務として給油を行い、資格者も多いから安心だ。

 震災時、大勢の人間の想像力は空っぽになったコンビニやスーパーの棚で止まっていた。だから無くなる前に買い占めに走る人間が多かった。けれど、世間の歯車が回り続ける限り、事態は沈静化していく。少し待てば在庫は回復する。震災直後の大停電の夜、初めてのことで大勢の帰宅難民が出たが、今後おそらく、あれと同じ事態は起こらないのではないだろうか。人は皆学習し、対処法を得た。大切なのは今を乗り切ることで、そのために少しづつ協力し合うことだろう。

 原子炉の状況はまだまだ楽観視できないが、解決に向けて色々な方法が出てくるのではないか。現場を取り仕切る人間の力量次第ではあるが、解決する道、日本がこの事態に対処する道は、見出されると私は信じている。

2011年3月30日水曜日

各駅停車で最適化

 震災の影響で関東は各駅停車のみになった。結果、分かったことがあるのだけれど各駅停車のみのダイヤは早い。今までより通勤時間が短くなったのが実感できる。私は経路としては、急行・特急停車駅しか使用しないので、自宅や会社が各駅停車発着駅だから早くなった訳ではない。

 今日は、なぜ各駅停車のみのダイヤのほうが早いのか考えてみた。


①各駅停車利用側から見て : 時間調整が減ること

 急行と各駅停車の待ち合わせがなくなった。先発した各駅停車は当然、待ち合わせしない分、早く到着する。今まで、待ち合わせ駅より先に行きたい乗客の場合、先発の各駅停車に乗っても、後発の急行に乗っても変わらなかった。待ち合わせ駅で乗り換えれば済むからだ。JR私鉄各社はこれを、急行のメリットとして解説していた。出発時刻が遅くても早く終点に到着できます、というわけだ。

 しかし、各駅停車側からみると、故意に遅らせられている事がわかる。いつかは追い抜かれるにしても、待ち合わせのため、各駅停車のみの運行からすれば余計に時間を食っている。待ち合わせをしなければ、急行のあと出発できるようになるまでに、1駅~2駅先に到着できていても不思議はない。いつかは急行に抜かれるにしても。各駅停車のみの運行であれば、このロスはなくなる筈だ。


②急行電車利用側からみて : 混雑を緩和できること

 次に急行電車を見てみよう。急行は各駅停車に比べて混む。急行に乗りたいと思うのは当然なので、人も殺到する。列を作って並ぶ。急行停車駅での乗客の乗り降りに時間がかかる。各駅停車より混雑状況は上がる。急行のダイヤに合わせて各駅停車も待ち合わせするので少しの遅延が余計影響するし、乗客の方も時間調整をして急行に合わせる。この待ってる時間も、通勤通学時間に含まれる。各駅停車を飛ばして急行を選択する訳だが、各駅停車のみの運行なら、乗客は先発する電車に乗るだろう。この先発する方に乗るという単純な理屈が、混雑の解消に有効に作用する。

 つまり、これまでより混雑状況は平均化されるから、駅毎にロスする時間も(個別の事情がない限り)平均に限り無く近づく。ホームや電車内の混雑状況の解消は、ラッシュ時の遅延が発生しづらい状況が生まれる。当然、間隔調整の必要性も減る。時間調整のため停車している急行電車より、スムーズに運行される各駅停車の方が早いのは自明だ。


③じゃあ何故、急行電車が存在するか?

 今までは全体の利益のため急行を通すことが良とされていた。最後にそれが何故かを分析したい。まず、ダイヤ上、運行本数が少ない時間帯の急行電車は非常に有効だということがいえる。①②の話は、乗客が押し寄せているラッシュ時の話で、私鉄各社も乗客数が少ない時には電車数を削減する。運行本数が少なくてもやりくりする工夫が、急行や特急の存在といえなくもない。これは、運行本数を減らせてエコ、という視点だろうか。

 次に、急行電車の存在はPRに重要だ。○○駅まで何分、という広告は、乗客の心を鷲掴みにする効果がある。机上の空論とまでは言わないが、最高にうまくいっての時間であることは否定出来ない。が、どのみち電車の通勤状況は急行だろうと各駅だろうと全てに影響されるので、急行が乗客側の最良の選択肢であることに変らない。これは、特に経路の選択肢が複数ある場合に強く作用する。

 最後に、急行停車駅という格が戦略上重要な場合がある。これは核と言い換えてもいいが、私鉄会社は実は沿線の開発も担当しているという日本の事情がある。その為、自社に有利な開発可能地域に電車を通し、沿線の開発を進めてきた。つまり沿線の住宅地を売買する際に、先のPR効果が重視された。渋谷に30分で行ける住宅は、45分かかる住宅より望ましい訳だ。急行停車駅という格を持った核を作る。たとえば渋谷に30分であるという格を持つ上に、今度はその急行停車駅自体まで何分で行けるかが、次の格になり得る。要地として開発が進む事になる。

 私は急行と各駅停車の区分けが無駄だとは思わない。でも、通勤ラッシュ時はやめる方がいいのではないかと思うようになった。乗客数が少ない昼間でないと、メリットを見出すづらい。

 都心でのラッシュは、電車の運行本数(ないし運行可能本数)に対して需要過多の状態だ。このような状況の時は、ダイヤの工夫よりも、各駅停車のみの運行という単純化で、混雑や問題を平均化するのが効果的なアプローチなんだ、と、今度の震災が教えてくれたのではないかと感じている。

2011年3月24日木曜日

オンライン書店ビーケーワンのススメ

 Amazonは優れた通販事業者で、日本の通販においてもAmazon以前と以後でくっきり二分される傑出した存在だと思うが、課税問題の報道以降は積極的には買わないようにしている。日本で納税するか、米国で一括して納税しているから良しとするかという問題だが、消費税分を納税しないだけでも販売価格を安くできる訳で、価格競争力的にも更に優位になる訳だし、日本での売買で米国しか潤わない事になってしまう。サービスの輸出で儲けるとは経営学的には素晴らしい話だが、搾取されるだけの市場という日本の立場には馴染めない。米国発の商品でなく、日本の商品の販売で商売をしているなら尚更だ。

 日本の益にならないなら積極的に買わないほうがいい。勿論、Amazonで特価だったり、Amazonでしか買えないものは買うし、ウィッシュリストや商品検索など有益なサービスは活用している。単に他で済ませられるものは他で済ませるというスタンスだ。

 で色々試したが、書籍はオンライン書店ビーケーワン(以下、bk1)がいいのではないかと思うようになった。以下、bk1の優位性をAmazonを意識しながらみてみたい。まぁ、感想とか、レビューとか、買ってよかった、つい買っちゃった、お得だ、という話になる。


 ①クーポンの存在

 bk1は多分後発なのでクーポン値引きを行っている。会員登録をすると月1回程度送られてくる。クーポンの内容は、【3000円以上の購入で300円引き】というもの。1割近いディスカウントになる。書籍で1割近いディスカウントは珍しい。現実的には書籍は3000円きっかりといかない。
が、仮に5000円購入したとしても6%である。クレジットカードを使用する方ならわかるが、たいしたことがないような数字でいて、実は大きい。

 【あとで買う】というリスト機能があるので、欲しい本はそこに登録しておき、クーポンが出たら3000円を越えるようにまとめ買いするようにしている。ネット通販は大抵そうだが、クレジットカードが使える分、クレカのポイントも貯まるし、お得な印象が強い。


 ②1500円以上送料無料

 bk1は1500円以上まとめて買うと送料無料だ。Amazonと対抗する上での最低限度はクリアーしているとともに、発売日の異なる新刊など、分割発送をしてくれる。その場合も送料は無料だ。1500円以上まとめて注文すればいいだけなので、予約分にもしっかり反映される。地味なところだが、分割発送OKなのは書籍相手のサービスでは嬉しい。

 ただデメリットとして、送料無料なのはメール便だからということもある。私は気にならないし、Amazonもプレミアムサービスとの差別化で最近は到着が遅い傾向があると思っているけれど、常に最速に届かなけれな気が済まない方には向かないかもしれない。Amazonは稀に予約商品を確保できずキャンセルや遅延することがあるので、それに比べればメール便で少し遅れてくる位は構わないという考えでいる。


 ③bk1 Express

 個人的に注目しているのは、【bk1 Express】だ。キーワード登録のことだと思えばいい。好きな作家名や作品名をキーワード登録しておくと、その作者の新刊が出たときにメールが送られてくる(かもしれない)機能となる。私が使ってみた感じ、結構精度は高い印象がある。Amazonのほしい物リストよりは確実性が上に感じている。コミック等も含むので、月刊連載の単行本など、間隔が開いて忘れやすいが、出たら確実に買いたい新刊をおさえるのに適している。


 ④新刊のRSS配信

 地味な機能だが、発売される新刊をRSSで閲覧できる。私は文庫・コミックしか登録していないが、それでもかなりの数になる。ただ、書籍名・作者名・出版社がズラッと並ぶ雰囲気なので、量の割に見るのが苦痛にはならず、意外とパッとチェックできる。

 【bk1 Express】で漏れていた好きな作家の新刊をチェックしたり、コミックの発刊状況をチェックしたり、時事ネタに対応した書籍の出版状況や、タイトル買いしたい書籍をチェックできる。Amazonのおすすめ商品は便利だが、新刊だけを網羅する機能としてはこちらが上に感じる。ただ詳細やイメージは掴みづらいので、興味を持ったら中身はAmazonで探る感じになってしまかもしれない。RSSリーダーを活用されている方にはおすすめの機能だ。スマートフォンの使い方で悩む方がいたら、是非オススメしたい。通勤/通学電車の中でRSSリーダーを閲覧するだけでも世界は変わると思う。


 ⑤領収書の存在

 Amazonは納税問題も関連して、いわゆる領収書という形態ではない。納品書兼領収書という事になっているが、日本的商習慣からすると使いにくいと思う。現在は改定されたが、以前は配送先住所が記載されていたこともある。bk1はその点、明確な領収書という形態をとっている。書籍購入費を経費として計上できる方には、bk1は選択肢としておすすめできる。


 以上、かなり身勝手な視点もあるが、bk1は人におすすめできるだけの書籍通販事業だと思う。あまり知られていない印象があるが、この手の便利な事業者はTPOに併せて複数使いこなす方が賢いと思うので、是非、bk1も活用される事をオススメしたい。

2011年3月22日火曜日

iPad2、国内未発売と、米国品薄と、輸入品販売

 残念ながらiPad2が国内未発売のままだ。輸入品の販売が始まっているみたいだけど、当然ながら手頃な価格とは言えない。米国でも震災が理由か?品薄みたいなので、日本ユーザーとしては東北関東大震災と共に踏んだり蹴ったりな状況となっている。

 iPad2は、256MBから512MBにメモリーを倍増させ、CPUもデュアルコア化を達成した。私は、ミラーリングのサポートにおいてこれらのハード性能の強化が不可欠だったと考えているが、ミラーリング以外でもハードウェア性能向上がもたらす影響は少なくないはずだ。実際3D系のゲームソフトで描写力が向上したという話を聞いたりもする。iPad2専用のグラフィック向上オプションとか登場したりするのかもしれない。

 ソフト側がハードを使いこなすのも大切だが、ハードウェアの展開が今後どうなるかを考えるのも大事だ。iPadは1年でシングルコアからデュアルコアにモデルチェンジした。なら、来年はどうなるのだろうか? デュアルコアの次は当然クアッドコアで、iPadがクアッドコアを搭載すれば、年末発売のSONYのNGPに限り無く近づく。しかも今回のiPadではグラフィック機能が大幅に強化された。iPadとNGPの部品は似ているという話もあるので、出来ることも似てくる。iPadは勿論予測されるNGPの価格よりも高価だが、液晶サイズの違いは価格差の理由にはなる。来年はクアッドコアはないかもしれないが、再来年のクアッドコア化は射程圏内に入っていてもおかしくない。NGPに1年超遅れるが、逆に言えば部品調達もそれだけ容易で価格も下落しているはずだ。2011年末発売のNGPに対し、2013年の春に同等クアッドコアを搭載したiPadを発売しても不思議はない。

 APPLEはゲーム機ビジネスに参戦するだろうか? 既に参戦しているという声もあるかもしれないし、iPadはミニノート路線を明確化しているという声もあるかもしれない。ゲームプラットフォームはそこまで熱い市場でなくなってきたという声もある。ただ、アップルが株価を上昇させていくためには、ゲーム機ビジネスをiTunesに統合していくのは自然な流れかもしれない。

 というのは、APPLEにとってゲーム機ビジネスにiPadを参入させていくのはノーリスクに近いからだ。iPadは既に売れているし、性能向上を求められてもいる。当然ながら、ゲームソフトも開発されている。更なるソフトウェアの開発もサードの手により進むだろう。市場も形成されてきている。APPLEとしては、1~2年後にNGPと限り無く近いハード構成のiPadを発売しても、採算性さえ確保出来れば大きな問題はない。NGPからの移植作を出すかどうかはメーカー次第と言っていい。

 ただゲーム機としてのiPadは液晶という長所もあるが、入力系に大きな問題を抱えている。コントローラーが無いことである。blutooth接続のゲームコントローラーを使用できそうなものだが、APPLEは何故か発売もサポートもしていない。敵視されていることを恐れているのか、スタイリッシュでないからなのか? マウスの入力すらサポートしていないから、キーボードを外部接続したとしても操作形態は限られることになってしまう。これはさすがに不便だ。

 APPLEが現時点でiPadをゲーム機とは考えていないと思うが、ユーザーはそう捉え始めている。Windosw9×が、ビジネス用途もさることながら娯楽用として広く一般家庭に普及した構図と近いものがあるかもしれない。ただAPPLEの場合、ハードに対する縛りが厳しい。サードがゲームコントローラーを出せる状況にはない。逆に言えば、APPLEがゲームコントローラーを出せばゲーム機ビジネスが即座に展開できる土壌は既に出来ている。後はAPPLEが決断するかどうかだ。

 3DSとNGPの対決を見極め、ソフトが立ち上がりきらない2012年末か2013年頭。第三勢力としてのAPPLEの参入があるかもしれない。逆に言えば、次モデルのiPad3は2012年春発売の場合、そこまで大きな性能の変化はないと予測している。クアッドコアにはまだ早いからだ。

 であれば、今売れているiPad2は、寿命的にはおそらく2013年春まで現役の性能を誇るはずだ。後はゲーム機ビジネスの盛り上がりが、APPLEに自然にゲーム機ビジネス参入を促すことになるん違いない。iPadはその場合、ソフト先行にしてハード後発という絶好のポジションを確保できる可能性がある。状況の推移を見守る必要があるが、おそらくAPPLEはそちらに向けて舵を切るのではないかと考えている。それは、それくらいインパクトのあるビジネスプラットフォームを立ち上げないと、APPLEがさらなる成長と株価高騰を続けられないことも意味していると私には思えて仕方がない。

 なのでiPad2が買えず、残念で仕方が無い気分だ。

東北関東大震災の放射能被災者救済について

 東北関東大震災による土壌・水質汚染が確定的になり、その被災者補償が今後重要になってくると考えられる。高濃度ではなさそうなので、除去自体は数年の休作と土壌汚染除去作業、調査業務になるだろうか。巨額の費用が見込まれるため、国にその責任を求める動きもあるようだ。

 国が対応を取ることを否定するわけではないけれど、東京電力も当然社会的制裁を受けなければならないし、被災した方への配慮を忘れずに企業活動を続けなければならないと私は思っている。

 具体的にどうするか、といえば、私は被災した県ないし被災団体に対して、東京電力の株を新規に大量に割り当てるしか無いのではないかと思う。具体的には役員を数名送り込めるくらい、配当金を復興支援の主軸に据えられるくらいだろう。そのあたりは政治家と東電の駆け引きになるだろうが、東電を見る社会の目の冷たさから言えば拒否はできないはずだ。逆にいえば、被災者救済のためには東電の温存が必須という名目も立ちやすくなる。

 巨額の復興資金は短期でなく、複数年度に渡って支払われるべきものだし、それ以降は原子力発電所再建にも関わる話になる。地元住民への収益性を確保し、津波に負けない新しい街づくりを進める原資とすると共に、東電役員の中に被災団体の代表を送り込むことで、その後の原子力発電事業に被災者の視点を付け加えるべきではないかと思う。

 既存株主は当然割を食うことになると思うが、過去の東電の行状をよしとしてきた以上、かつ、あのような放射能流出事故を起こした会社の株主である以上、一定の株主責任を問われても仕方がないのではないかと考える。

 元々東京電力株は、世界的に見ても屈指の優良株と言われていて、巨大都市東京に独占的に電力を供給するぼろ儲け間違い無しの会社だった。株価も安定していた会社なので、大量の株式を発行しても上場停止にならないくらいの健全性は確保していると思う。

 まぁ、私がそんなことを言ったところで実現するわけではないのだけれど、そういう声もあったということを残しておくのが大事かなぁと考えた。結果として、都民の電気代が上がるのかもしれないし、そうしたら「ふざけんな」の大合唱が起こるだろうが、原子力発電を他県に押しつけて繁栄を享受してた訳で、もう少し都民が負担を強いられるのは仕方が無いかなとも思う。但しそれは、被災者や被災地機の再建に直結していた場合で、そういう事を東電内部から変えるためには、被災者を統括する団体が大株主になって隠然たる勢力を築かねばならないのではないだろうか。

2011年3月17日木曜日

医療費控除と還付金と寄付

 我が家は老人が多く医療費が高めなので、確定申告のうち医療費控除申請をE-TAXで行っている。今年は還付金が33000円の予定だったので、その同額をこちらのブログを参考に、ゆうちょダイレクトから日本赤十字社に寄付させて頂いた。(良い内容なので勝手にご紹介させていただきましたが、問題があるようでしたら削除致します。)

 E-TAXでの医療費控除申請は、サラリーマンでも行えるというか、サラリーマンでこそ高価を発揮する。領収書をまとめておく必要はあるし、年末調整の紙(年収等の入力に用いる)も必要なうえ、住基カードと、電子証明書の取得とカードリーダーの購入で初期投資はかかるが、初回は5000円の控除を受けられるので初めて損はない。返却分のお金はゆうちょ銀行他、登録口座に振り込まれる。

 結構知らない方が多い印象だが、2年目3年目は役所に行かずに始められる。医療費が高い自覚のあるご家庭では、対費用効果は高いだろう。独身一人暮らしの方だとどの程度効果的かは分からないが、金銭感覚を磨く上で損はないのではないかと思う。

 震災寄付として高額な資金ではないのは申し訳ないが、返却分のお金なので負担感は少ないし、被災地にはやはり現金が一番ではないかと感じた。日本赤十字の信頼性については他を圧倒しているのではないかとも感じている。

 原子炉の状況も気になるが、被災地の復興も重要だ。直接そこに関わるわけではないが、応援はしたいと感じている。


【2011/3/22追記】

 寄付金については控除を受けられるとのこと。日本赤十字の場合は、事前登録により受領証が可能なので確定申告される方は受領しておくと良いと思います。

2011年3月16日水曜日

東京電力の会見を見てて思うこと

 東電の会見を見てて思うが、情報収集・モニタリング体制がとにかく悪い。目視で確認したり、計器で確認をしている訳だが、民間人が普通の機材や原発の備品でやっているレベルでしかないが分かる。上層部も現場の報告に頼り切るだけだ。

政治主導が皆無で、原子力保安院と東京電力上層部、東京電力現場(下請け)と伝言ゲームをやっているようでもどかしい。アメリカだったら米軍が入って現場で強力なイニシアティブを発揮するんじゃないだろうか。(国防省なり国務省なり大統領補佐官だったりするのかもしれないが。)民間人が現場を仕切ることに問題を感じる。仕切るのはプロの仕事だろう。

東電はマスコミのTV映像に頼って判断してたりするのと大差ないレベルなのだろう。大事なのは、日本の総力としてどのようなモニタリングが出来るかなのだが、官邸がその機能を果たしていない可能性が高い。枝野官房長官は頑張っていたと思うが情報の上下調整といったところで、現場は東電に任せ、東電は東電で原発のスタッフに任せてる状況だろう。原発現場のスタッフは、もっと外部の支援が必要な情勢ではないか。

自民党だったらと思わずにはいられないが、東京電力も所詮民間企業なので限界はあるだろう。東電社長他の役員はおそらく民間人である我々とさしてかわらぬ知識、情報しか持っていない印象だ。

日本に監視衛星があるかどうかは分からないが、本来それでモニタリングすべき状況のはずだし、米政府に要請はできるだろう。自衛隊による監視チームを発足させることも可能なはずだ。現にNHKがヘリを飛ばしている。自衛隊機による空中からのモニタリングは有用な筈だ。潜水艦という選択肢もあるかもしれない。その情報を元に専門家の分析を加え、政府が決定すべきだが、そのあたりのプロセスが悪い。東電の現場要請も、上層部や保安院、政府の判断で歪められてそうだ。

被爆を恐れず働く現場の皆さんの努力には頭がさがる。とにかく、現場に負荷をかけ過ぎだろうと感じる。どうすれば現場の負荷を外部活用で軽減できるか、それを考えるほうがいい。

その一方でマスコミのあり方にも疑問を感じる。推測でなく、正しい情報の伝播が何よりも価値を持つので、1テレビ局くらいは放射能汚染の度合いをリアルタイムで中継すればいい。ネットで見る限り、自然に被爆する量の数倍といっても問題になるような数値の場所は少ない。だからこそ正しい情報を公開しないと、放射能アレルギーばかりが嵩じる事になってしまうだろう。どうも表現が数値でなく、文語表現なのが不安を煽る。10倍とか聞くと焦るわけで、問題となる基準を明確にして、その手前の話なんだと明らかにした方がいい。ガイガーカウンターがあるところに放送車を派遣すれば可能なはずだ。

 福島県内の被爆状況は別だが、都内の汚染状況は検出できたという科学技術的な検出精度の話が中心で、今も1マイクロに届きそうなのはひたちなか市くらい。神奈川の方は0.1マイクロいくかどうかで、自然界に通常存在する放射線が0.001~0.05マイクロ程度なのでほとんど心配は要らない。急な上昇に備える意味で言えば、外にあまり出ないほうがいいが、屋内に入れば通常時と変らないレベルだろう。勿論、都内なら急上昇してもレントゲンに満たないレベルだ。

 原子炉が全て爆発四散したりすれば話は別だが、今の時点では拡散していることもあって影響は微量だ。疑心暗鬼に陥る必要はない。勿論現場での放射線は凄いが、放置という選択肢はありえないので、強いイニシアティブを発揮する必要があるだろう。

2011年3月15日火曜日

スマフォは複数バッテリーでしょ



 震災ですっかり忘れていたが001HT用のバッテリーが3/10に届いた。3/11の震災時、帰宅困難者として001HTを見ながら帰宅したのでバッテリーの重要性を痛感。なので、今はバッテリー2台体制で運用している。

 バッテリーを交換するのは少しメンドクサイが、交換すると満タンになるのは快感だ。計画停電(輪番停電)時に、3Gネットワークがどうなってるか不安ではあるが、基地局はバッテリー常備なので3時間くらいなら大丈夫らしいという話もある。ちなみに私はバッテリーチャージャーも購入しているので、充電も苦労はない。

震災時、通話規制はあったがネットワークは使用可能だった。輪番停電は未経験だが、スマフォは停電時の心強い味方になるかもしれない。現在はeneloop的な充電池の売れ行きが主力らしいが、eneloopはスマフォ的にはあくまでも間接的に充電するデバイスでしか無い。皆様も、この機会に携帯の電池を追加で買われておくといいのではないだろうか? 最悪、ワンセグを受信するくらいの役に立つのではないかと思う。

2011年3月12日土曜日

震災とツイッター

 震災で被災された皆様には本当に言葉もない。原子力発電所の問題も気になるし、車も建物も津波で押し流されるのは本当に衝撃的だった。出張や旅行で立ち往生された方も多いし、命は助かってもこれからの生活をどうするか途方に暮れられる方も多いだろう。大口の募金に興味はなかったけれど、今回ばかりは募金しようと思わずにはいられない。

 徒歩で帰宅するしかなくなり、都心の少し外れから自宅まで16km強を歩いて帰宅した。グーグルが役に立ってくれて、現在地や経路の選定に有用だった。私はソフトバンクだが、通話はNGだが、通信はOKだった。

 もう一つ注目したのがツイッターだった。検索によって、外の状況がどうなってるか明瞭に把握できた。「タクシーが捕まるか」「東京駅周辺の様子はどうか」「店はやってるか」「徒歩帰宅者はいるか」状況を把握するのに凄く有用だった。デマも流れるかもしれないが、安否確認できるだけでも存在理由は大きい。アカウントを取って、お互いに登録しておくだけでもいざというときに役に立つのではないかと思う。

 関東も一部地域で停電の可能性が出てきた。原子力発電所の影響や、電力消費量の推移によりものだが、今の内に必要な機器の充電を済ませ、今日は早く寝て電気を使わないのが賢いのかもしれない。

2011年3月10日木曜日

高く売れ

 私は任天堂の人間ではないし、その社是なり社訓なりを知りうる立場にないが、任天堂の過去の経営哲学を文字に表すとしたら「高く売れ」だと思う。ス-ファミのソフトの値段を思い出していただきたいのだが、スーファミは1本1万円くらいした。(値崩れも激しかったが1980円でも子供ながらに儲けが出るのか心配する値段だった。)64の頃もソフトの定価は9800円くらいで普及の最大の阻害要因だった。私も値段で買わなかったと記憶している。64の値崩れが始まったタイミングは、既にゲーム機としての旬を過ぎていた観があったので購入を見送った。(あとになって思えば、ゲームキューブより64の方が面白そうだったので購入しておくべきだったかもしれない。)

 ともあれ任天堂は歴史的に見て、ソフトウェアをできるだけ高く売ろうとしてきた会社だ。山内社長時代は一貫してその傾向がある。ゲームボーイのソフトの価格なども、その性能から考えると高いだろう。(興味が有る方は、ファミコンとゲームボーイのソフトの価格の違いを自分で調べていただきたい)

 我々は新製品発売価格よりも、中古店の店晒し在庫の価格を記憶する傾向があるので中古価格の安いイメージが先行するのかもしれないが、任天堂の初期価格設定は常に強気なんである。そのゲームソフトの価格を引き下げたのは、PS1時代のSONYの功績だ。CD-ROM化することで生産と流通の大改革を行った。通販が一般的でなかった頃なので、コンビニや音楽CDの取次店にゲームを流した。低価格での定価販売に拘ったSONYの功績は認められていい。

 岩田社長はおそらく山内会長から、その経営哲学の精髄を叩き込まれた筈だ。DSはPSPに比べて安価なゲーム機として登場した。その安いハードのイメージが強いが、岩田社長時代のDSは以前書いたように値上げに成功した稀有な事例だし、「枯れた技術の水平思考」に代表されるように安く作られたハードである。(なお、任天堂はハードを安めにしてソフトで回収する傾向もなくはない。)3DSもNGPより部品代は安いのではないかと思うが、価格的には似たレンジに収まる可能性が高い。つまり、今も昔も任天堂は価格については強気で可能なかぎり上限を目指す。それがシェア争いに負けても、次のゲーム機交代タイミングまで体力を温存できた秘訣だ。焦土戦術的な本体低価格路線に走ったセガとはそこが違う。

 誤解しないでいただきたいのだが、私は任天堂のビジネスモデルを評価している。世間的には高い=悪という風潮があるが、ゲーム市場というものが成立するにあたってそれは必要なことだった。儲からなければ参入するサードのソフトウェア企業なんて出る訳がない。SONY以前にコンシューマ市場を立ち上げた任天堂の功績はとてつもなく大きい。おそらく山内社長の社長としての仕事の8割-9割は、ゲームビジネスは儲かるというイメージの伝播だったのではないか。これは銀行に向けて、部品メーカーに向けて、投資家に向けて、ソフトウェアメーカーに向けて、社長が常に情報発信しなければならないことである。でなければ、誰も任天堂に見向きしない。(余談だが、以後のゲーム機ビジネス参入企業はマイクロソフトも含めて山内社長に騙されたと言ってもいいかもしれない。)結果として高く売る戦略が任天堂を生き残らせ、チャンピオンにした。岩田社長は優秀な経営者で、山内会長路線の継承者であるが、儲かるイメージの伝播という点で上品すぎるというか、少し弱いかもしれない。ただ、今の時代には合致している可能性はある。

 歴史的に見て、任天堂は安売りを嫌う。それは企業として当たり前のことなのだが、表だって認めることでもないので世間であまり認識されていないのかもしれない。特にここ数年は、日本でも海外でも景気が非常に悪いので、安いことが正義という論調があったり、スマートフォンのように拡大した市場で薄利多売のゲームビジネスが展開されると、それに飛びつくという傾向がある。DSはたしかにその流れに合致したかもしれないが、よく考えると値上がりしているのだ。単なる安売り路線ではない。そして岩田社長も、大切なのはコンテンツ企業としての競争という趣旨で自社の理念を述べている。これは極言すれば、いかに高く売るための付加価値・ブランド力を維持できるかという話になる。

 岩田社長のGDC講演が否定的に受け止められたらしい。が、マクドナルドもユニクロも低価格路線をいつまでも続けずに値上がり傾向にあることを思い出していただきたい。また、スターバックスのコーヒーは高いが売れる。乱暴な言い方になるが、経営の基本はいかに高くても満足して買ってもらうかであるので、円が安ければ輸出で儲かるなんてのは幻想に過ぎないと分かる。どう考えても人件費で発展途上国に勝てるわけがないので、価格より質で勝負するしかないのだ。任天堂の路線は、そこに合致する。

 スマートフォンでのゲームビジネスでは、個人のゲーム発信が可能になった反面、大手のゲーム会社の生き残りは厳しい。運営会社という超大手と、その下の個人の作り手という図式なので、それ以外の他社の生き残りはない。経済活動としての波及効果も少なく、関連産業も潤わず、税収も減るだろう。IT化で無駄を排除したら仕事が減った、大作ソフトも減ったという縮小路線に近い。岩田社長は任天堂自社のことよりも、中小のソフトメーカーの事も考えて発言をしていると私は思う。消費者がそんなゲームだけで良いというのなら、市場は衰退すると思う。この辺りどうなるかは見えないが、ゲーム作りの根底にあるものは時代が移り変わっても変わらないので、そこをいかに保持できるかが今後の鍵となるのだろう。

 優秀な作り手が流出するような会社の株は買わないほうがいいし、任天堂の株は下落しているが、3DSの現状は順調とは言いがたいが、任天堂の株は紙くずにはならないだろうと私は確信している。

2011年3月9日水曜日

PSP黄金期

 最近、3DSが面白く無いという声をよく聞く。犬猫以外任天堂のソフトが無いし、DSソフトに対して3DSで解除される機能といったものもない。すれちがい通信もユーザー数が少ないし、今のところさしたるメリットもない。初期の熱が冷めつつあると、決定的といえるソフトが無い事が痛感される。DSユーザーの場合、3DSでなくDSに戻ってしまう場合もあるようだし、オークション相場や店の買取価格も下降を続けているようだ。せめてポケモン新作では3DS対応機能とかあると、また盛り上がりが違っただろう。

 そもそもゲーム機というのは盛り上がるまでに時間がかかるので、未来性みたいなものをいかにアピールできるかが重要になる。3DSの戦略はなんども言うように、PSP+αだ。けれど、3DSではなぜか任天堂が拙速を好んだので、末期のPSPでなく、円熟期のPSPと対決することになってしまった。PSPは世界的にはオワコンかもしれないが、少なくとも日本では未だに本体の売れ行きが良く、人気殺到で入手性が悪い本体なのである。これには勿論、モンスターハンターポータブル3の存在が大きいが、それ以外のソフトも強力かつ魅力的だ。つまりハード性能で3DSが少し優っていても、ソフトやサービスや普及台数の壁が圧倒的な優位性としてPSPの見方をしている。

 繰り返すとPSPの黄金期は間違いなく現在で、PSPが発売後これほどブレイクした時期もなければ、発売後数年を経たゲーム機が高値で売買され、品薄というのは世界的にも例がないと思う。PSPの場合、不遇の時代が極めて長かった訳で、SCEとしては現在の状況はむしろ少し戸惑うところなのかもしれない。彼らの計画外だというのは、本体の品薄が解消されないことでも分かる。年末にNGPが控えているので、旧世代化するPSPを大々的に売り出すわけにもいかない。

 PSPの健闘が計算外だったのは任天堂も同様だろう。DS人気を3DSに繋ぐつもりが、人気がPSPに行ってしまった。ポケモン新作ブラック&ホワイトから、モンハンに遷る流れがあったとも聞く。弾不足を痛感しているだろうが、携帯機は昔のようにマリオさえ出せばいいという時代ではなく、ネットワーク性や協調性を出さないと出荷数の伸びは厳しい。Wiiのドンキーコングは売れたかもしれないが、本体普及台数の割にソフトウエア日照りのWiiだから売れたという見方もできる。携帯機のローンチでドンキーコングが出たとしても、同じ出荷本数を稼ぐのは難しいだろう。それはローンチというもののハードルの高さを表してもいるが、携帯機に求められる役割の変化も売れない理由に含まれているだろう。

 携帯機というのはトレンドがある。モンスターハンターにせよポケモンにせよ、通信対戦や協力プレイといった要素がブレイクの決定的要因だ。一人一台の必要性が高まれば、ソフトもハードも売れ行きを伸ばす。モンハンは「みんなで狩りにいく」コンセプトで大作となりおおせた。PS3の新作も、数が売れる大作ソフトは通信対戦要素が必須となりつつある。DSが成功を収めたのは、流行を創りだしたからだが、現在流行しているのはPSPでありモンハンであるのは歴史の不思議さを感じずにはいられない。かつてモンハン並に文化と呼べるほど、一世を風靡したとまで言えるのは、私はセガのファンタシースターではなかったかと思う。その続編が現在、PSPに来ている。PSPの立ち位置を考える上で実に興味深い。

 SONYは「何故PSPが売れているか?」や「携帯機が売れる要因は何か?」を理解しているので、3GをNGPの主軸に据えた。コストを意識した消費者の志向によって3Gメインは撤回を余儀なくされつつあるが、それでもSONYがネットワーク性を重視したハードと、ソフトウェア開発、そしてオンラインのサービスを展開していることに変わりはない。PS3との差別化という意味でも、道理にかなう戦略だ。

 任天堂はPSPを完全に真似したわけでなく、一部で独自性を残した。それが「すれちがい通信」だったりするが、逆にそれが足かせになってる印象もある。「すれちがい通信」路線で行けばいいと判断した、その結果として、任天堂の今の3DSのラインナップの中にネットワーク性や広がりが感じられるものはない。ストリートファイター4の通信対戦は素晴らしいらしいが、リッジレーサーはWi-fiでの対戦ができないらしい。この辺りの足並みが揃ってくると、3DSの状況も満足度もまた変わってくるだろう。ただ、任天堂が積極的に動くようには見えない。

 DSですれちがい通信が流行した最たる理由は、DSを持ってる、すれちがい通信潜在層が多かったからだ。DSの数というアドバンテージを活かす機能だった。しかしながら、3DSの本体出荷数を押し上げる機能には成り得ないと分かりつつある。

 任天堂はDSの成功により、携帯機のトレンドを完全に読み違えたし、AR等の新たなトレンドの確立にも成功していない。勿論、長く遊べる名作ソフトはネットワーク性だけに依存する訳ではないが、ゲーム機の中に広がりが感じられるかどうかは、ネットワーク性に依存する割合が大きい。少なくとも、それが現時点でのゲーム開発者の共通認識になりつつあるとおもうのだが、任天堂がそこをクリアーする道筋が見えていない。である以上、パイロットウイングスやゼルダといったソフトが出ても、3DSの苦境は案外続くことになるかもしれない。PSPのメタルギアはネットワーク性を意識していたが、3DSのメタルギアは据え置きの移植作でネットワーク性があるかは疑わしい。

 私個人はネットワーク性を重視したゲームは別に好きでない。なので一向に構わないのだが、私のような層は保守的ゲーマー層というべきで、ユーザーを開拓するためにはネットワーク性とそれが持つ広がりは必須なのではないかと思えてならない。

2011年3月8日火曜日

iPad2は買いか?Ⅱ

 iPad2について話してると、機能的な進化が分かっていても、それがどのように使い勝手に直結するか分かっていない方が多い。デュアルコアが凄いことは分かっても、それがつまりどういう事なのかの実感がないのだと思う。そこで実用例を想定してみる。

★カメラ

 カメラがついても写真を撮るだけに留まらない。iPadの場合は、写真の加工や、ムービーの撮影・編集、そして3DSでも話題のAR技術に対応できるようになる。そもそも、iPhoneでは既にカメラもARも採用されているので、この手のアプリは豊富だし、盛り上がりも期待できる。既に固められた道がそこにあると言ってもいい。具体例としては、モルツがiPhone用にARを使った広告を展開しているし、今後この流れに追従する企業が出ても不思議ではない。個人的には、今年はARがブレイクする年だと思ってる。iPadでARがいけるとなると一気に加速するだろう。iPhoneでは当然のように出来ていたことが、ようやく実現する。


★デュアルコア&ミラーリング

 個人的にデュアルコア化とミラーリングは切っても切れない関係にあると思っている。従来は、A4チップの高性能をもってしてもミラーリングは不可能だったわけで、これは恐らくシングルコアの性能的な限界だった筈だ。今回、デュアルコアにした事でミラーリングが可能になった。まさか、1画面につき1コアを振り分けているわけではないだろうが、性能の余力的にはそれに近い状態にあるのではないだろうか。「デュアルコアは不要だ」、という乱暴なロジックを展開する人は、「ミラーリング不要だ」、といっているのに等しいと私には思える。

 ミラーリングが可能になるとどうなるか?

 たとえばゲーム。大画面TVに映すことが出来るようになるし、自分のプレイを人に見て貰うことも容易になる。電子書籍の場合も、大画面で楽しめるようになるので、拡大が不要になったり、より縮小した表示でも十分読めるようになるかもしれない。

 iPadをミニノート的に使う事も増えるだろう。小さい画面をのぞき込まなくても良くなるからだ。プレゼン用途は当然そこに含まれるし、アプリの動きをプロジェクターを使って大写しすることもできる。ノートPCなら当然出来ていたこと、今まで待ち望まれていたことが、iPad2でようやく実現する。iPadがタブレットの如き入力デバイスとなって、更に大きな世界に繋がるイメージと言えばいいだろうか。

 そこまで理想的なことを言わなくても、出張に行くときに、iPadとHDMIアダプタを持って行けば、宿の液晶テレビでゲームしたり、ネットしたり、動画を見たり、漫画を読んだり出来る訳だ。充電しながら実現可能なのがまた凄い・・・・貧相なイメージで申し訳ないが。

 こうしてみると、iPad2は「当然出来ると思われていたけれど出来なかったことが実現したモデル」だと分かる。私的には「買い」ということなのだが、iPadの性能差や割り切りを理解していないと、差が分かりにくいのかもしれない。

 また、この事を一歩進めてみると、iPad3で差別化する要素がもうそんな無いことが分かる。私は容量が次の差別化要素だと思うのはそこが理由なのだけれど、それ以外にiPadで実現すべき項目が他にちょっと思いつかない。ただ、1年後にはiPad2の不満リストはいっぱいになっているのかもしれないけれど。

 ともあれ上記の理由により、iPad2は買いだ、という評価になる。

2011年3月7日月曜日

iPad2は個人輸入が得か否か

円高が進んでいる。
現在、1ドルが82.5円前後なのでiPad2は海外で買ったほうがお得なのかを検証してみる。

iPad1を通販で購入されたこちらの記事を参考にさせていただいた。
(参考にさせていただいているのが問題であるようなら、記事を削除させていただきます。)

16GB:499$+手数料7$+送料28$=534$×85円=45390円
 +国内手数料(関税?)1600円=46990円 /旧モデル初期定価¥48,800

32GB:599$+手数料7$+送料28$=634$×85円=53890円
 +国内手数料(関税?)1600円=55490円 /旧モデル初期定価¥58,800

64GB:699$+手数料7$+送料28$=734$×85円=62390円
 +国内手数料(関税?)1600円=63390円 /旧モデル初期定価¥68,800


関税の免税範囲20万円(20万超えると発生)

ドルの計算は85円で、変動を考慮し少し高めのレートで計算している。
Paypalは2.5%取られるので、クレカ決済のほうが安いだろう。

元記事を判別する限り、送料は2Kgの計算だ。
これはおそらく本体他の外箱、ACアダプタで1KGを超えるためと考えられる。
国内送料の代引発生が謎だが、これは発生しない可能性がある。
関税を代引で請求されている可能性が高い。

携行品の場合、20万円未満までは関税が発生しないはずだが、
輸入だと一括で関税が発生すると思う方が賢いのだろうか。

ここまで計算してみて、円高とはいえ、3-4000円得するかどうかというところ。
送料、関税が発生するならお得感はないが、アメリカ旅行のついでに購入する場合は安く購入できるという判断になる。

海外モデルを国内で使用するにあたっては、大きな障害はないと思われるが、ソフマップ等での買取もされていない。なので売却先が限られるのが難点になるはずだ。


と、ここまで書いてみて、iPad2の国内価格が未発表ということは値下げの可能性がある事に気づいた。

が、既にそれについても分析をされている方がいた。
(参考にさせていただいているのが問題であるようなら、記事を削除させていただきます。)


詳細は記事を直接ご確認いただくのが良いが、納得出来る素晴らしい分析だった。なので、iPad2の国内定価が引き下げられるようなら、通販で買うメリットは殆ど無い。むしろデメリットのほうが大きい。

特に今回は、販売時期の差も少ない。人気もそこまで殺到しないだろうから、発売時期も落ち着いていられる可能性が高いだろう。大人しく国内で購入するのが賢いのではないだろうか。

2011年3月6日日曜日

iPad2は買いか?

iPad2は買いだろうか?

長所
・デュアルコア化で性能が向上した
・薄く/軽くなった
・カメラが内蔵され、動画撮影や編集にも領域が広がった
・ミラーリング出力に対応した
・(恐らく)720Pから1080Pに進化した
・白色が追加になった

短所
・容量が変化しないし、SDスロットがないため増設もできない
・純正ケースのデザインが変更になった
・日本国内では電子書籍の普及が今一つで自炊中心

AirVideoやHDMI出力は旧モデルでも可能になりそうなので割愛する。


旧モデルユーザーは買い換える方が良い、WI-FIモデルなら可能だろう。
カメラと処理速度向上はそれくらい大きい。
ただ、自炊メインの使い方なら、容量に変化がないから買い換え不要だ。
安くなった旧モデル購入もアリだろう。
逆に、プレゼン用途ならミラーリングの関係でiPad2にすべきだ。

今回は性能面の進化が著しいが、デザインは変わらなかった。
性能も不足機能が足された感じで完成系に近づいた印象だ。
恐らく次のモデルチェンジは価格と容量的な物になる。
後はカメラの性能くらいか。

私はiPad64GBを1月末に売却済み。
iPad2かXOOMへの買い換えを検討中だ。

iPad自体を検討するユーザーには「買い」という判断で良いと伝えたい。

2011年3月4日金曜日

カダフィ延命?

 リビアの情勢が日本にあまり伝わってこなくなった。エジプト的展開を狙った反乱軍側が早期解決に失敗したといっていい。カダフィに与した傭兵の存在も大きいだろうが、伝えられていた国軍の離反もプロパガンダ・情報工作的要素もあり、カダフィが恩恵を施した出身地を中心に、国民の結構な割合はカダフィを支持しているものと思もわれる。カダフィは巻き返しの真っ最中で、簡単にその基盤は揺らぎそうにない。

 私は前回、アメリカ大統領のイニシアティブを期待したのだけれど、オバマはカダフィ退陣を求めていく構えだ。その一方、リビアの在アメリカ資産の差し押さえには熱心だった印象がある。一見平和的に見えるが、仲裁案ではない事に注意する必要がある。アメリカは利益追求路線で、面倒事を避ける路線でもある。影響力低下は免れない。アメリカ的には、関わりたくないというのが本音なのかもしれない。民主党アメリカは自らの覇権による平和を捨てるつもりなのだろうか。

 ここに来て存在感を増して来たのが、ベネズエラのチャベス大統領だ。元々、反米・親リビア路線ではあるけれど、チャベスと反乱軍の仲介を買ってでた。カダフィはそれに応じる構えのようなので、反乱軍ということで顔の見えなかった反カダフィ側の実態が、国際社会に対して浮き彫りになるかもしれない。民主化というのは極言すれば正義の旗印として用いられているが、リビアにおける民主化の真実がどういうものかは不透明だ。チャベスの提案で原油先物価格が急落したという観測もある。(利食いという話もある)その一方で、反乱軍側はチャベスの提案を断ったようなので、本当に民主化を望んでいるだけとは信じがたい部分がある。永田町に鵺が棲むと以前はよく言われたものだが、国際政治にも色々な背景があることを伺わせる。

 ベネズエラのチャベス政権は、反米的な色彩を強めたアラブ連合とも繋がりつつあるようなので、リビアの件の着地点次第では、反米の大きな政治的な極が一つできるかもしれない。チャベス大統領は元々そのカリスマ性が評価され、反米の旗頭と言われてきた。今までその話は信じが違ったが、リビアでの交渉成果次第ではその名を世界に轟かせる事になるはずだ。

 リビアや、アラブ諸国の問題の難しさに産油国であることがある。石油利権が巨大であるがゆえに狙われやすいという側面と、石油の高騰が世界経済に深刻な影響を与える両面がある。リビアはエジプトに比べると豊かな産油国であり、国民は困窮していた訳でもない。カダフィは独裁者ではあるが、イスラム教についていえば開明的な方とも言われる。石油のおかげもあって、国民は周辺国に比べれば恵まれた暮らしをしている。今の反乱軍が、イスラム聖職者への回帰と政治と宗教の融合を目指しているのだとすれば、民主化のプロセスは遅れると私などは思うのだが、国際政治のそのあたりは非常に難しい問題を含んでいる。宗教というものは、正面きって非難できる対象ではない。

 リビアには、イラクと異なりNATO軍が派遣された訳ではない。国民の不満もエジプトに比べれば少ないと予想される。私も独裁者は好きでないけれど、カダフィはもう少し表舞台にとどまりそうだと思う。ただ、カダフィ亡き後のリビアがどういう形になるのか、それを決めるのが今回の一連の騒動の結末となるのだろう。

2011年3月3日木曜日

動画プレイヤーとしての3DS 訂正とお詫び

 3DSの動画閲覧機能については具体性がないと非難したけれど、米国VODサービスの「Netflix」への対応が発表されたし、『日本テレビとフジテレビとの提携で行なう3D動画を毎日配信するサービスについても、e-Shopから動画再生用ソフトをダウンロードすることで利用可能になる。』という報道が既に出ていたようだ。無為無策ではなかったようなので、そこはお詫びしたいと思う。

大変申し訳ありません。任天堂の岩本社長はやはり優秀でした。

ただ、具体性はまだないと思う。5月の本体アップデートで3DSに動画閲覧機能が付加されるそうなので、その状況次第だろう。任天堂は過去、WiiにDVD再生機能をつけると言って、その口約束を反故にした経緯がある。今後の任天堂の本気度を見守りたい。

アナログチューナーの消えた日

東芝のデジタルテレビの新製品REGZA Z2シリーズが発表されたけれど、遂にアナログTVのチューナーが削られた。東芝のREGZAは、ナンバーワンといってもいいブランドなので、インパクトは大きい。尚、SONYのBRAVIA、シャープのアクオスは、3月発売モデルでも地上アナログを残している。おそらく次のモデルで他社も削ってくる筈だ。(時期的に残すはずもないのだが)

アナログチューナーがあると内部的なコスト増にも繋がるだろうし、デジタル移行済みなのにアナログで見ているような例も発生する。リモコンの複雑さも増す訳で、私としてはアナログチューナー非搭載が、ほんとうの意味でのデジタルTV普及モデルの購入タイミングだと思っている。

2011年7月がデジタルテレビ完全移行だから踏み切った、東芝の思い切りは素晴らしい。東芝はご存知の通りHDDレコーダーの雄だが、非アナログチューナー搭載のDVDレコーダーでの私的複製保証金裁判でも知られるように、デジタルチューナーに関するセンスは極めて高い。

HD-DVDの失敗や、CELL工場の売却など残念な報道もあるが、AV以外にもDynabook事業など、それを下支えする実力ある企業だと思う。

アナログチューナー初の非搭載は、実際にはさっぱり目立たない、ニュースにも値しないような事柄だけれど、製品の歴史の上では重要なターニングポイントではないかと感じる。

2011年3月2日水曜日

3Dの広告は誰のため?

岩田・任天堂社長 海外で映画配信開始 という記事が出た。

「3DSは大量普及する初の3D映像再生装置」
と言い切っている。
3D映画が劣勢になっていたこともあって、正直この発想はなかった。

任天堂の事なので特に売り込みはしていないのではないかと思う。
どちらかというと、周辺スタッフから上がってきた「3DSで出来ること」を記者を集めて少しづつ話題投下して、話題性が薄れないようにしているだけではないか。

つまり即応性のあるビジネスではなく、あくまでも可能性の示唆という話で、仕掛けるところがあれば乗りますよ、位の話だと考えるほうがいい。

 任天堂はPS2+αだったWiiに引き続き、3DSではPSP+αの戦略で来ている。家電のSONYとパナソニックの関係に似ている。3DSの性能はPSPをちょっと上回り、付加価値で差別化をしているが、UMDビジネスも3Dという付加価値で任天堂流に立ち上げようとしていると言えるだろう。但し、SONYと違って映画会社を所有してはいないが。

 3D再生装置としての3DSの価値は理解できるが、3Dの広告が流されるかは正直疑問だ。コストを掛けて3D再生環境を構築した人は3Dソフトを買うかもしれない。3DTVを買う層だ。ただ、安価な再生装置として3DSに飛びつく人が3D視聴ソフトに、レンタルDVD以上の価値を見出すとはとても思えない。それでは新規にビジネスを立ち上げてもとても採算が取れない。

 3D映画の宣伝ということで言えば、広告で期待を煽るからいいのであって、実際に劇場に行かずに3Dで見せてしまうと、それでいいじゃん、になりかねない。任天堂はこの辺りの機微が全くわかってない。

 最近、任天堂首脳陣に対する評価が急下降気味だが、この話はビジネスとしての想定がなされていない。思いつきをしゃべっているだけだとしたら、SONYのNGP戦略に比べると圧倒的に劣る。3DSに関しては、普及する前提で話すのではなく、3DSを普及させるためにまずゲームでどれだけ頑張るか、本業で切磋琢磨していく姿勢を見せるべきである。3D映像に関して任天堂がなにかやりたいのなら、社長でなく、3D映像関係の部署を新設するべきだ。そういう取り組みをしていないなら、これは放置していい話でしかない。

【2011/3/3追記】無為無策ではなかったようですので訂正とお詫びを書きました。

2011年3月1日火曜日

WOWOW

 少し前にWOWOWのオンラインに会員登録して、番組についてのアンケートが来ていた。半年くらい前だろうか。時期的には、バンドオブブラザーズの再放送や、パシフィックを放映してた頃で、それをイメージしながらアンケートを回答した。

 で私の意見としては、「パシフィックのようなドラマは素晴らしい。ドンドン再放送もすべき。星界の紋章で加入した人間としては、アニメが少ない、とにかくアニメを増やせ。そして、アジアのドラマは、特に韓流は不要。アメリカのドラマを増やせ、WOWOWオリジナルの日本ドラマも不要だ」と書いた。

 するとどうだ。ガンダム映画の一挙放送に続き、化物語攻殻機動隊ハルヒの一挙放送と流れが一気アニメに傾いた。正直かなり嬉しい。真面目に毎週録画予約するような人間でもないし、新作をチェックするような人間でもないので。

 評価の固まったアニメの一挙放送は、WOWOWの道としてアリではないかと思う次第。余計なことしやがって、という方がいたら申し訳ない。たぶん絶対に、私だけの意見ではないはずだけれど。

既に報告が多数あるけれど・・

 既に報告が多数あるので今更ではあるけれど、001HT(DesireHD)用のバッテリーと充電器を通販で購入した。

 購入したのは OBOSTORE。

 1800mahのバッテリー

 Paypal決済で、送料無料。バッテリーが9.99$、チャージャーが3.99$。
 総計$13.98 USD。
 Paypal請求は円請求で、1172円となる。

 円$の為替レートが1$81円台のため、Paypalの手数料2.5%を上乗せして
 84円前後で請求されている事になる。
 液晶保護フィルムも2$位だったため、ここで購入すればよかったなと後悔。

 Androidは海外製の安い周辺用品が揃っているのが魅力だ。

3DS

 3DSのすれちがい通信、2回目にすれ違う人には個別メッセージを送ることが出来た。これってナンパに有用なのではないかと勘ぐってしまう。生活路線が同じ相手に、特定メッセージを送れる。すれ違った時間も特定できるので、場所も大体特定できる。通勤・通学の場合、どの駅だったか分かるわけだ。

 メッセージの文字数的にも電話番号くらいなら伝えられそうだ。数字は入力できないが。「電車男」に続き、3DSからスタートした恋愛という映画ができても不思議ではない。

 まぁ、私は「パズルボブル買ってみます」と無難なお返事をするのに留めているので、任天堂の想定範囲内の使い方だと思う。