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2011年3月2日水曜日

3Dの広告は誰のため?

岩田・任天堂社長 海外で映画配信開始 という記事が出た。

「3DSは大量普及する初の3D映像再生装置」
と言い切っている。
3D映画が劣勢になっていたこともあって、正直この発想はなかった。

任天堂の事なので特に売り込みはしていないのではないかと思う。
どちらかというと、周辺スタッフから上がってきた「3DSで出来ること」を記者を集めて少しづつ話題投下して、話題性が薄れないようにしているだけではないか。

つまり即応性のあるビジネスではなく、あくまでも可能性の示唆という話で、仕掛けるところがあれば乗りますよ、位の話だと考えるほうがいい。

 任天堂はPS2+αだったWiiに引き続き、3DSではPSP+αの戦略で来ている。家電のSONYとパナソニックの関係に似ている。3DSの性能はPSPをちょっと上回り、付加価値で差別化をしているが、UMDビジネスも3Dという付加価値で任天堂流に立ち上げようとしていると言えるだろう。但し、SONYと違って映画会社を所有してはいないが。

 3D再生装置としての3DSの価値は理解できるが、3Dの広告が流されるかは正直疑問だ。コストを掛けて3D再生環境を構築した人は3Dソフトを買うかもしれない。3DTVを買う層だ。ただ、安価な再生装置として3DSに飛びつく人が3D視聴ソフトに、レンタルDVD以上の価値を見出すとはとても思えない。それでは新規にビジネスを立ち上げてもとても採算が取れない。

 3D映画の宣伝ということで言えば、広告で期待を煽るからいいのであって、実際に劇場に行かずに3Dで見せてしまうと、それでいいじゃん、になりかねない。任天堂はこの辺りの機微が全くわかってない。

 最近、任天堂首脳陣に対する評価が急下降気味だが、この話はビジネスとしての想定がなされていない。思いつきをしゃべっているだけだとしたら、SONYのNGP戦略に比べると圧倒的に劣る。3DSに関しては、普及する前提で話すのではなく、3DSを普及させるためにまずゲームでどれだけ頑張るか、本業で切磋琢磨していく姿勢を見せるべきである。3D映像に関して任天堂がなにかやりたいのなら、社長でなく、3D映像関係の部署を新設するべきだ。そういう取り組みをしていないなら、これは放置していい話でしかない。

【2011/3/3追記】無為無策ではなかったようですので訂正とお詫びを書きました。

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