iPad2のHDMI出力はひどいと感じたが、ひとつ可能性がある。HDMI出力自体はiPad1も共有なので、iOSがiPad1/2で差がないように制御している可能性。つまり、iPad1の性能にiPad2が引きずられているのかもしれない。アプリでも、iPad2に最適化されているものは少ないようだ。旧ハードに性能を合わせるかどうかというのは常に難しい問題で、Flashではそれが問題になっていることをジョブズも指摘していたが、iPadでもそれが発生してしまうのかもしれない。
もう一つの可能性として、D-SUB15のアナログRGB出力(VGA)と大差がないと思われていたが、実際には内部処理はかなり違っていたのかもしれないということ。どうも映像化しているように感じられる画質だった。逆に凄いことをしている気がしないでもないが、AppleTVの方が遙かに便利だった。いずれにせよ、iPad単体で何かしようとすればある種の限界があることは分った。iPad2で処理性能が上がったとはいえ、iPad1と同等の処理しかしていないソフトが多いなら、iPad単独でできることには限界があることを強く意識する方がいいだろう。
AppleTVは安かったから買っただけの、iPad2を買うだけのいわばオマケだったのだが、iPadのAirVideoだけでなくPCの連動で便利だった。発売当初は誤解していたのだが、WindowsのiTunesに同期させたムービーをHDMI出力できるアダプタだった。テレビ番組を録画して、エンコードし、PCで視聴するため撮りためていたのだが、それの消化に役立ちそうだ。リビングやキッチンなどの別室での消化に苦労していて、(PS3はtorne録画もあって自室に置いてあるため)最近ではXBOX360をそれにあてようとしていたが、微妙に使いづらいので苦労していた。
xbox360でUSBメモリに入れた動画を見るにあたっては、MP4の音ズレに悩まされていた。だが、映像の最大ビットレートを5MB以下に設定することで解決した。仕様をよく確認しないで愚かだったとしか言いようがないが、あそこまで劇的な変化が訪れるとは驚きだった。XBOX360はPS3より安く、新型AppleTVと異なりブラウン管テレビに出力可能だ。使い方次第では面白いデバイスだと思う。有線がない、無線だと重い場合、やはり安価なUSBメモリに動画を入れて刺せばいい、というのはシンプルな解決策になる。これはPS3も同様だが、いかんせんメディアプレイヤー専用にしようするには高価だ。
一方、AppleTVはAppleIDを入力し、PC/MAC側のホームシェアリングを「入」にすればすんなり同期する。有線なら特に遅延もないため、かなり感動する。iTunesで視聴可能な動画ファイルは再生可能なので、MPEG4の帯域制限があるXBOX360よりも使いやすいし、専用処理をしているのか高画質だった。HD放送をエンコードした640*360ピクセルの低解像度の動画ファイルでも40インチ液晶でそれなりに見れる。定価8800円なので、動画の消化に苦労される方は買って後悔しないだろう。各TVに備え付けても後悔しない低価格だ。PCさえあれば利用可能なので、かつてのVHSデッキよりはるかに有用だ。
逆に、iPad2は少しもてあまし気味になってしまった。自炊した電子書籍のリーダー用途、寝床でのWEBブラウジングは重要だが、iPad1の16GBでも用は足りる。AirVideoもiPad1でもiPhoneでも可能だったはずだ。
iPhone用のSkypeを入れてみたところ、問題なくフロントカメラでビデオ通話可能だった。音声もクリアだし、iPadのスタンバイ状態でも、Skypeが起動していれば呼び出し可能だった。これには驚いた。
iPadは通常、電源を完全切断しないので、こういう使い方ができるのだろう。スマートフォンでも同じかもしれないし、そもそも携帯を呼び出せば済む話かもしれないが、携帯を寝室に置かない人も多いので、面白い使い方ではあるだろう。バッテリーのもちが長いのも大きい。
私個人は現状だとiPad2のポテンシャルをまだ引き出せていない。買った意味すら後悔しそうなレベルだが、PCからのリモート接続にトライする予定だ。PC用ADVを買ってはやらないという悪循環を繰り返していたが、シュタインズゲートなどの高評価タイトルはすでに購入している。これをiPadでプレイできるようになると便利だと感じていたので、GW中にはその状態までもっていきたい。デュアルコア化は、この手の処理速度の安定化に寄与する可能性があるが、これはプラシーボ効果かもしれない。
容量に関して言えば、やはり、動画撮影可能時間の長さを確保する意味合いが大きい。iPadでなく別デバイスでやるべきかもしれないが、PCに保管してある動画や電子書籍を一時的に消去すれば、撮影可能容量を最大限確保できる、そんな使い方だ。現実的に何を撮影するのか奇妙に思う方も多いかもしれないが、会議とか授業とか講習とか、撮影OKかは別にして、撮影可能な恩恵を被るものは大きい。常に持ち歩いて画面が大きいデバイスが撮影可能なことは、所詮プロユースでないカメラを買うよりはるかに利便性が高いことが予想できる。
iPadを見ていて思うのは、PC連携がより進んだと感じられることだ。ノートPCの代わりにiPadを用いる人、企業があるが、単体で使う発想には限界がある。3Gモデルもあるが、iPadはPCないしMACで認証しなければ使用開始すらできない。PCを親機とした時の、子機という認識が正しいと思うようになった。
コードレス電話初期、人はコードレスを携帯電話のように屋外に持ち出した。どこまで使用可能か実験したというが、どこかあれに近い。3G回線ないしWi-Fi回線で持ち出せる距離の概念が少し変わっただけで、基本は親機の性能に依存する割合が高い。
私が楽しんでいる、自炊もTV番組の録画や動画のエンコードも、(予定している)PCゲームのリモートアクセスも、たぶん、写真の撮影や動画の撮影だって、PCやAppleTVに持っていく、連動することで完結する。PCが苦手な人がiPadに走る、という流れがブームを支えていたように感じていたが、iPadの本質はむしろ、すでに築き上げられたデジタル環境へのアクセス経路の質の変化ではないかと感じている。
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