iPad2のHDMI出力はひどいと感じたが、ひとつ可能性がある。HDMI出力自体はiPad1も共有なので、iOSがiPad1/2で差がないように制御している可能性。つまり、iPad1の性能にiPad2が引きずられているのかもしれない。アプリでも、iPad2に最適化されているものは少ないようだ。旧ハードに性能を合わせるかどうかというのは常に難しい問題で、Flashではそれが問題になっていることをジョブズも指摘していたが、iPadでもそれが発生してしまうのかもしれない。
もう一つの可能性として、D-SUB15のアナログRGB出力(VGA)と大差がないと思われていたが、実際には内部処理はかなり違っていたのかもしれないということ。どうも映像化しているように感じられる画質だった。逆に凄いことをしている気がしないでもないが、AppleTVの方が遙かに便利だった。いずれにせよ、iPad単体で何かしようとすればある種の限界があることは分った。iPad2で処理性能が上がったとはいえ、iPad1と同等の処理しかしていないソフトが多いなら、iPad単独でできることには限界があることを強く意識する方がいいだろう。
AppleTVは安かったから買っただけの、iPad2を買うだけのいわばオマケだったのだが、iPadのAirVideoだけでなくPCの連動で便利だった。発売当初は誤解していたのだが、WindowsのiTunesに同期させたムービーをHDMI出力できるアダプタだった。テレビ番組を録画して、エンコードし、PCで視聴するため撮りためていたのだが、それの消化に役立ちそうだ。リビングやキッチンなどの別室での消化に苦労していて、(PS3はtorne録画もあって自室に置いてあるため)最近ではXBOX360をそれにあてようとしていたが、微妙に使いづらいので苦労していた。
xbox360でUSBメモリに入れた動画を見るにあたっては、MP4の音ズレに悩まされていた。だが、映像の最大ビットレートを5MB以下に設定することで解決した。仕様をよく確認しないで愚かだったとしか言いようがないが、あそこまで劇的な変化が訪れるとは驚きだった。XBOX360はPS3より安く、新型AppleTVと異なりブラウン管テレビに出力可能だ。使い方次第では面白いデバイスだと思う。有線がない、無線だと重い場合、やはり安価なUSBメモリに動画を入れて刺せばいい、というのはシンプルな解決策になる。これはPS3も同様だが、いかんせんメディアプレイヤー専用にしようするには高価だ。
一方、AppleTVはAppleIDを入力し、PC/MAC側のホームシェアリングを「入」にすればすんなり同期する。有線なら特に遅延もないため、かなり感動する。iTunesで視聴可能な動画ファイルは再生可能なので、MPEG4の帯域制限があるXBOX360よりも使いやすいし、専用処理をしているのか高画質だった。HD放送をエンコードした640*360ピクセルの低解像度の動画ファイルでも40インチ液晶でそれなりに見れる。定価8800円なので、動画の消化に苦労される方は買って後悔しないだろう。各TVに備え付けても後悔しない低価格だ。PCさえあれば利用可能なので、かつてのVHSデッキよりはるかに有用だ。
逆に、iPad2は少しもてあまし気味になってしまった。自炊した電子書籍のリーダー用途、寝床でのWEBブラウジングは重要だが、iPad1の16GBでも用は足りる。AirVideoもiPad1でもiPhoneでも可能だったはずだ。
iPhone用のSkypeを入れてみたところ、問題なくフロントカメラでビデオ通話可能だった。音声もクリアだし、iPadのスタンバイ状態でも、Skypeが起動していれば呼び出し可能だった。これには驚いた。
iPadは通常、電源を完全切断しないので、こういう使い方ができるのだろう。スマートフォンでも同じかもしれないし、そもそも携帯を呼び出せば済む話かもしれないが、携帯を寝室に置かない人も多いので、面白い使い方ではあるだろう。バッテリーのもちが長いのも大きい。
私個人は現状だとiPad2のポテンシャルをまだ引き出せていない。買った意味すら後悔しそうなレベルだが、PCからのリモート接続にトライする予定だ。PC用ADVを買ってはやらないという悪循環を繰り返していたが、シュタインズゲートなどの高評価タイトルはすでに購入している。これをiPadでプレイできるようになると便利だと感じていたので、GW中にはその状態までもっていきたい。デュアルコア化は、この手の処理速度の安定化に寄与する可能性があるが、これはプラシーボ効果かもしれない。
容量に関して言えば、やはり、動画撮影可能時間の長さを確保する意味合いが大きい。iPadでなく別デバイスでやるべきかもしれないが、PCに保管してある動画や電子書籍を一時的に消去すれば、撮影可能容量を最大限確保できる、そんな使い方だ。現実的に何を撮影するのか奇妙に思う方も多いかもしれないが、会議とか授業とか講習とか、撮影OKかは別にして、撮影可能な恩恵を被るものは大きい。常に持ち歩いて画面が大きいデバイスが撮影可能なことは、所詮プロユースでないカメラを買うよりはるかに利便性が高いことが予想できる。
iPadを見ていて思うのは、PC連携がより進んだと感じられることだ。ノートPCの代わりにiPadを用いる人、企業があるが、単体で使う発想には限界がある。3Gモデルもあるが、iPadはPCないしMACで認証しなければ使用開始すらできない。PCを親機とした時の、子機という認識が正しいと思うようになった。
コードレス電話初期、人はコードレスを携帯電話のように屋外に持ち出した。どこまで使用可能か実験したというが、どこかあれに近い。3G回線ないしWi-Fi回線で持ち出せる距離の概念が少し変わっただけで、基本は親機の性能に依存する割合が高い。
私が楽しんでいる、自炊もTV番組の録画や動画のエンコードも、(予定している)PCゲームのリモートアクセスも、たぶん、写真の撮影や動画の撮影だって、PCやAppleTVに持っていく、連動することで完結する。PCが苦手な人がiPadに走る、という流れがブームを支えていたように感じていたが、iPadの本質はむしろ、すでに築き上げられたデジタル環境へのアクセス経路の質の変化ではないかと感じている。
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2011年4月30日土曜日
2011年4月29日金曜日
iPad2のHDMI主力が微妙な件
iPad2を購入した。HDMI出力が絶妙に微妙だ。アダプタは価格も3980円だったと記憶しているので、購入されないことをお勧めしたい。
写真は、iPadを三菱の27インチモニターに接続している。MPEG4の暗部ノイズのようなものが見えると思うが、これはブラウザ(サファリ)の黒い箇所だ。単なるWEBページの背景の黒なのだが、内部で何らかの圧縮がかかっていていることがわかる。正直、この仕様は予想していなかった。
他にもHDMI出力にはいくつか課題がある。本体のアップデートにより解消される可能性があるが
1.ホーム画面をのぞき、HDMI出力時は強制的に横画面
2.ビデオ、youtubeは全画面表示するとミラーリングされない
※ディスプレイ側の表示のみになり、設定は見当たらない
3.全画面表示時、画質の向上は特に見られない
4.HDMI出力された動画の画質は残念なレベル
※ノイズが目立つ
5.ホーム画面出力時はかなりきれい
6.keynote未所持のため、プレゼン時の挙動は未検証
7.i文庫HDなど一部アプリはVGA出力時強制2P表示で使いづらい
正直所有しているメリットが感じられなかった。動画の画質については、PSPをHDMI出力可能なアダプタで遊んだ時レベルの画質で、単なる引き延ばしのようだし、画質補正的なものも感じられない。PCで再生したほうが綺麗なレベルだ。
ここからは推測になるが、iPad2のグラフィック性能が期待したほど高くないというよりも、モバイルデバイスの外部出力のレベルがこの程度で十分とされているのだろう。余力がないというよりは、安全のためにある程度制限をかけているように思える。本体のアップデートによってある程度解消される可能性はあるだろう。また、AppleTVは専用の処理をしているので不満が出ない程度にはきれいに見える可能性がある。すでに購入して開封待ちなので、それを追って検証したい。
2011年4月27日水曜日
PSN最悪の展開へ
順調なはずのSONY、Playstation3だが崩壊は足元に迫っていた。オンラインの総合サービスであるPSNがハックされ、大量の会員情報が流出した模様。従来の情報では、クレジットカードの盗難ではなく、捏造したクレジットカードを利用出来るというレベルの話だったが、深刻度がアップした模様だ。
PSNが販売するサービスが無料でハッカーに使用されるという話と、PSNが管理する個人情報が大量に流出する話は、程度に於いてかなり隔たりがある。私はSONYびいきの立場だが、これが事実だとしたら擁護できる内容ではない。クレジットカードを登録しておかない事くらいしか対策はなく、当面、オンラインプレイやDLCの購入、ゲームアーカイブスの利用ができないという致命的な自体になりつつある。
従来、ゲーム業界におけるハッキングは、メーカーやサードのソフトウェア販売会社が被害を受ける場合が多く、個人プレイヤーが被害を被るのはチートによるゲームバランスの崩壊くらいだったが、今回のSONYの件では、個人情報流出という最悪の事態が起きた。悪用の程度は不明だが、東京電力の原子炉問題と重ね合わせる視点を持つ人も多く、日本企業の危機管理体制の悪さが露呈した悪しき例になってしまった。
標的が大きければ大きいほどハッカーによって狙われやすいというジレンマがあるにせよ、これからネットワーク依存を高めるPSスイートや、NGPの戦略を推進しようとしていたSONYのゲームビジネスにとっては致命傷になりえる。ゲーム業界事態の崩壊の危機であるかもしれず、今後が注目される。SONYのゲートキーパーの存在はネットの神話とでもいうべき存在だが、世論誘導よりも、こういう危険性の察知や回避にこそそのエネルギーが使われるべきだろう。
SONYのゲームビジネスが再生できるのか、このまま沈んでしまうのか。昨日の株式市場は任天堂ショックといわれたように、任天堂も不調だ。iPad2は明日、日本発売が明らかになりつつあり、iOS用のゲーム提供が今後益々増えることが予想される。反面、日本メーカーはSONYも任天堂も問題に直面している。日本のゲームビジネスは、曲がり角に来ているのかもしれない。
2011年4月26日火曜日
夢のない任天堂Wii後継機
現世代機のゲーム市場は円熟期を迎えつつある。
据え置き機を見てみると、PS3黄金期なのが分かる。象徴的なのはPortal2で、米国では嘗てのドラクエのように学校を休んで買いに行く超有名ソフトだ。PS3でもXBOX360でも発売されているが、PC版と対戦可能なのはPS3だけとなっていて、PS3が優勢な情勢だ。
詳しく述べると、発売元のValveはPCゲーム界では知らぬ者の居ないSTEAMというオンラインゲーム配信の仕組みを持っている。PCにSTEMAをインストールすれば、STEAM上でアカウントが管理され、購入したゲームをいつでもダウンロード出来るという物で、PCを買い換えても、STEAMアカウントさえあればゲームも引っ越せる。(セーブデータのオンライン保管は行わない)
STEAMで販売されるソフトは数多いし、過去作を価格改定したり、セールによって販売数を増加させることも巧みだ。今回、PS3版のPORTAL2は、PCプラットフォームのSTEAMとの対戦を実現させた。XBOX360ではそれが行われず、画質的にもPS3の方が綺麗に作られているため、PS3の優位は顕著だ。このValve、嘗ては露骨なXBOX360びいきで有名だったのだが、ここに来てPS3派にくら替えしている。かなり露骨な言動で笑えるほどだが、今のPS3の勢いを図るのに丁度いい。
今回、ここに殴りこみを掛ける形になるのが任天堂の次世代機だ。
性能に関しては、XBOX360程度で少し上回るくらい、AMD(旧ATI)のR700系GPU、CPUは3コアとなっている。Wiiに対する互換性も維持され、事実上のWiiHDとなる予定だ。ここから分かるのは、Wiiの名作ソフトの遺産と、XBOX360との性能の相似性だ。360との相似性はマルチプラットフォーム戦略上の利点となる。XBOX360からの移植のみならず、PS3とXBOX360のマルチプラットフォームソフトの中に、Wii次世代機も紛れ込ませる事が目標と言える。性能は伸び悩むかもしれないが、サードソフト不足に陥るよりマシ、というわけだ。
なお、Wiiと互換性を維持する場合、Wiiのディスクを読めるドライブが必須となる。従来のWiiはDVDドライブを採用していたが、DVD2層でも容量不足は顕著と考えられるので、容量対策を重視すれば、blu-rayドライブを採用する可能性が高い。ただ、視聴用DVDを再生できなかったWii同様、blu-rayを再生できない可能性もある。
しかし現時点でblu-ray採用を発表していない以上、DVDのままでいく可能性が高いだろう。blu-rayは商売敵、SONYにパテントを支払う状況なのも採用に不向きだ。blu-ray非採用の場合、大容量化にはディスクの交換や、DVDはオマケで別形態のソフト提供が不可欠となる。DVD路線で行く場合は、HDDや大容量SDCARDを採用し、本体へのインストールやアップデートを行う端末になるのかもしれない。DVDはあくまでもオマケとして、専用ROMカートリッジによる提供も考えられる。NGPもこの路線だが、専用ROMは独自性を確保できるし、将来の大容量化も見越せるし、低価格化も期待できる。任天堂は吝嗇なので、3DSでは当面2GBを最大容量としたため自滅した感があるが、大容量を確保出来ればこの路線が最適かもしれない。
この仕掛の部分がビジネスモデルとしては非常に重要なのだが、任天堂としてはゲーム機を出すことが優先されて、仕組みづくりまで想定が至っていないと感じる。詳細をつめている段階かもしれないが、まだゲームの形を作るのに手一杯なのだろう。何も考えずにDVD一辺倒なのかもしれず、もしもそうなら、本当にXBOX360並となる。HDDがなければそれ以下である。
が、私はおそらく任天堂はまだそこまで深く踏み込んで考えていない、と思う。なんとなくDVD程度の発想しかないだろう。発表の時点でプレイアブルでなく、E3の時点でプレイアブルデモが公開されるとされるあたり、実態に先行した情報公開といった印象を拭えない。XBOX360を上回る程度の性能というのは、技術サイドから出た話ではなくて、任天堂の経営サイドから出た目標性能である可能性が高い。技術サイドがそれを実現するデモ機を製作したくらいなのが、今の状況なのではないだろか。NGPに対して、経営サイドに夢もビジョンがあると思えない、と感じてしまうと言い過ぎだろうか。ソフトの提供形態と最大容量で、任天堂の本気度、あるいはWii次世代機の成功の度合いが測定出来るのではないかと思える。大容量になればなるほど、成功の可能性は高くなる。
が、笑えない予測として、3DSが最大容量2GBなのは、Wii次世代機が最大容量4GBだから、という可能性もある。将来的にそれぞれ倍になっても最大4GBと、最大8GB程度。それだと今後数年を戦うのは不可能でないにしても、厳しい。任天堂のコスト意識は、それを強行しそうで恐ろしい。
任天堂はつねに過去世代のゲーム機を少し上回るくらいの次世代機を投入する。PS2に対するWiiが良い例で、今回、性能的な模倣が容易な標準的な構成に近いXBOX360を参考にしたのは当然だろう。(CELLとblu-rayを搭載したPS3はその点、変態的な構成のマシンと言えるし、CELLの生産設備はSONYが東芝から買い戻して確保しているので入手できない。)
私の見る所(というより衆目一致するところだと思うが)、ブームが過ぎ去り業績が芳しくない任天堂は、期待の3DSも駄目だったため、3DSをテコ入れしつつもWii次世代機を発表して株価を底ざさえする必要性に駆られたのだ。商談は終えて、テスト機くらいは出来上がっていると思うが、最終的な配信の仕組みや並行して行われるはずのソフト開発はまだこれからなのだろう。それを受けて生産を開始し、2012年のおそらくは後半に発売となるはずだ。
言い換えると、PS3は2012年までその王座が揺らがない事になる。これは現在進行しているソフト開発が引き続きPS3優位に進むことを意味している。急造したWii次世代機が立ち上がりから大作ソフトを投入できるとは考えづらい。Wii互換で嘗てのWiiの名作ソフトが売れる効果はあるだろうが、サードが本腰を入れて開発するのは2012年からである可能性が高い。ただ、XBOX360との性能の相似性から言えば、マルチプラットフォーム対象には成り得るので、それなりにソフトが出る。ただマルチプラットフォームは、どれも似たような性能でしか無い。経営戦略的に差別化が出来ていない場合、勝てる要素ではない。この辺り、任天堂ソフトの人気だけで押し切る気なのかと思えてしまう。
今回、任天堂としては独自路線を貫かず、時代に即した、或いは、時代に迎合したゲーム機を開発しているようだ。NGPの部品採用と似た流れを感じるが、それは陳腐化が早いということも意味する。コア数では既にNGPに負けているわけで、全性能でNGPに負けるとは思わないが、何らかの付加価値をつけていかなくてはならない。
Wiiは「SDでもまだまだ行けるんです」「ゲームの楽しさは性能じゃないんです」という強烈なメッセージがあった。それは任天堂の見せた夢でもあった。しかし、消費者がその夢からさめ、やはり性能は大事だと考えている中で、次なる任天堂なりのメッセージ性が打ち出せているようには感じられない。こんな時代だからこそ、経営にはビジョンやメッセージ性が求められる。任天堂の現在の苦境は、信者を騙せなくなった新興宗教の教祖に似ている。今のままでは、コアな信者を囲い込んでのカルト化しか出来ない訳で、もう一度広く夢を見せる強烈なメッセージ性が不可欠だと感じる。E3でそれは見られるのだろうか?
少なくとも今感じられるのは、ポケモンやマリオを投入すれば3DSはなんとかなる、という計算だけなのである。しかしゲーム機だけに、夢を見せる商売をしないと、成長は見込めないのではないかと感じる次第だ。
2011年4月25日月曜日
iPad2発売秒読み?
Wii後継機の存在が公式に明らかにされたけれど、今日はiPad2について。
本日発売の週刊アスキーでiPad2発売へ、となっている。記事を読んでも具体的なは発売時期については触れられていないが、発売がかなり間近と考えられる。別の方向でTV局もgigajinの記事でiPad2の発売に触れているようだ。
散々待たされたけれど、思ったより早くiPad2は発売されるのかもしれない。
パナソニックの新製品モニター
パナソニックの新製品モニターが実に興味深い内容だ。
モニター対象製品は、防塵防水の小型HDムービーカメラで、直販価格は19800円だ。
・動画カメラ(MPEG-4 AVC/H.264 + HDMI出力)
・静止画カメラ
・リニアPCMレコーダー
・PC用カメラ(Skype等へUSB接続)
・防水(3m)
・防塵
・耐衝撃
・SDHC記録
この辺は、マネシタ電機の本領発揮といえるし、
ビクターとパナの伝統芸の範疇かもしれない。
差別化要素は、リニアPCMの有無とskype対応の明言だろうか。
製品自体が、結構ニッチな用途で面白い。
バッテリー駆動時間に目をつぶれば、
記者が携帯するカメラにうってつけかもしれない。
防水防塵で、コップを倒しても水を浴びてもカメラは痛まないし、
USB充電なので、ノートPCとの組み合わせにも適している。
震災で話題になった、取材先からの配信にも利用可能かもしれない。
幅広い用途が期待できる。
この製品はパナセンス限定販売であるため、価格は19800円。
直販ONLYにすることで、価格.COMも大手家電量販店も関係なくなる。
消費者にとっては値崩れしない製品であり、BOSE製品に近い位置づけになる。
ただ幾らデジカメにはそれなりに定評があるパナソニック製品とは言え、
それだけでは売れないので、実績作りが必要になる。
それが今回のモニター販売となる。
15800円-17800円での販売なので、2000円~4000円は安く購入できる。
オークション形式だが、落札価格が安い方に統一されるので、
購入者間での不公平感は少ない。
確実に欲しい人は17800円で入札すれば、安くなるかもしれないし、
購入を迷う人は、15800円で入札すれば、手に入れられるかもしれない。
金額はあとで変えられるようにしているのも売り手の賢いところで、
早く入札させて、後で値段を釣り上げ可能にしている。
実際、今の消費の冷え込みの中でどれだけ売れるか分からないが、「いい製品は売れる筈」という作り手の意思が感じられる。最も、多機能であって、質が伴うかは分からないのだけれど、この手の製品で日本の大手メーカー製品は少なかった。
一歩間違えばどれもスマートフォンで実現できてしまいかねない機能ではあるけれど、そこに防水という付加価値を付けて差別化をはかっているのは流石だ。売り方といい、台数といい、大企業パナソニックの良く考えられた実験でしかないかもしれないが、松下の戦略思考の一端が垣間見えるようで興味深い企画だと思う。
【追記】
ここまで書いておいてなんだけれど、企画自体ビクターの二番煎じだった模様。なかなか立派なマネシタ電機ぶりだ。ちなみにVHSで有名なようにビクターの筆頭株主はパナソニックである。(ケンウッドの合併前までは親会社だった)
2011年4月18日月曜日
バガー・ヴァンスの伝説
私はロバート・レッドフォードが監督をする映画が大好きなのだけれど、今日はその中から【バガー・ヴァンスの伝説】を紹介したい。マット・デイモン、シャーリーズ・セロン、ウィル・スミスが出演しているこの映画の舞台は、1920年代末のアメリカの片田舎。第一次大戦と大恐慌の影響が色濃く浮き出る世相の中、庶民が生活に苦しむ一方で、ゴルフを嗜むような上流階級は戦前からの変わらぬ豪奢な生活を続けている。
粗筋はこうだ。
シャーリーズ・セロン演じるヒロインは、金髪美人の南部の金持ち娘。だが、父が手がけたゴルフリゾートの計画が行き詰まり、実業家の父親は自殺、独り取り残され、債権者に取り囲まれてリゾート売却をせっつかれる。この急場をしのぐ為に、持ち前のお転婆ぶりを発揮、町おこしを画策し、策謀を巡らせてライバル心を刺激して高名な二人のゴルフプレイヤーの対戦を実現させる。
2大プレイヤーの対決の舞台となる事に町も沸き立ち、地元の英雄を担ぎ出す声が高まる。ここで指名されたのがマット・デイモン演じる郷土の英雄ジュナ。名ゴルフプレイヤーだったが、第一次大戦に出征し、戦争が彼を廃人同然に追い込んでしまった。自信を喪失した彼は、地元代表を引き受けようとしない。
特筆すべきなのは、語り手がジュナの逸話を聞かされて育った町の少年であること。彼の存在が、町とジュナの絆の象徴となる。少年の父も含め、町の人は生活に困る位に困窮しているが、生活保護を潔しとせず、プライドを捨てずに生きている。少年を通じて、そんな誇りを捨てずに努力する郷土の人々の期待が自分の双肩に掛ってる事を知り、ジュナは出場を決意する。酒浸りの自分であっても、そんな自分を必要とする郷土の期待に直面して、ジュナも奮起せずにはいられなくなるのだ。
しかし戦争と酒浸りの日々によるブランクは大きい。決意は実力を伴わない。そんなジュナを助け、導く不思議な存在が、ウィル・スミスが演じるバガー・ヴァンスと名乗る謎の男。5ドルでキャディーを引き受けた彼は、ジュナの再生に大きく関わることになる。
ジュナを交えた3名で行われるゴルフ大会は熱戦を重ね、全米中に報道され、大勢の見物客が詰めかけ、この時点でゴルフリゾートと町おこしの成功は十分達成されつつあった。だが人々の願いは、いつしかジュナの優勝になっていく。それは不可能と思われていた街の再生をジュナの再生と重ねあわせ、心から失われつつあった希望やプライドを取り戻す試合になっていく。勝負の決着は終盤まで縺れ込み、観客は試合の行く末を固唾を飲んで見守るようになる。
この映画の作りは非常に丁寧で、感情移入をしやすい。ゴルフに全く興味がない私でも、美しい視線の中、夕闇の中でプレーする姿に心打たれるものを感じる。レッドフォードの映画は、アメリカの自然を優しく映しだすことに長けている。
内容は典型的なアメリカンドリーム物かもしれないし、知名度は低い。それでも、私の中では名作と評したい、熱い魂を持った映画だ。
粗筋はこうだ。
シャーリーズ・セロン演じるヒロインは、金髪美人の南部の金持ち娘。だが、父が手がけたゴルフリゾートの計画が行き詰まり、実業家の父親は自殺、独り取り残され、債権者に取り囲まれてリゾート売却をせっつかれる。この急場をしのぐ為に、持ち前のお転婆ぶりを発揮、町おこしを画策し、策謀を巡らせてライバル心を刺激して高名な二人のゴルフプレイヤーの対戦を実現させる。
2大プレイヤーの対決の舞台となる事に町も沸き立ち、地元の英雄を担ぎ出す声が高まる。ここで指名されたのがマット・デイモン演じる郷土の英雄ジュナ。名ゴルフプレイヤーだったが、第一次大戦に出征し、戦争が彼を廃人同然に追い込んでしまった。自信を喪失した彼は、地元代表を引き受けようとしない。
特筆すべきなのは、語り手がジュナの逸話を聞かされて育った町の少年であること。彼の存在が、町とジュナの絆の象徴となる。少年の父も含め、町の人は生活に困る位に困窮しているが、生活保護を潔しとせず、プライドを捨てずに生きている。少年を通じて、そんな誇りを捨てずに努力する郷土の人々の期待が自分の双肩に掛ってる事を知り、ジュナは出場を決意する。酒浸りの自分であっても、そんな自分を必要とする郷土の期待に直面して、ジュナも奮起せずにはいられなくなるのだ。
しかし戦争と酒浸りの日々によるブランクは大きい。決意は実力を伴わない。そんなジュナを助け、導く不思議な存在が、ウィル・スミスが演じるバガー・ヴァンスと名乗る謎の男。5ドルでキャディーを引き受けた彼は、ジュナの再生に大きく関わることになる。
ジュナを交えた3名で行われるゴルフ大会は熱戦を重ね、全米中に報道され、大勢の見物客が詰めかけ、この時点でゴルフリゾートと町おこしの成功は十分達成されつつあった。だが人々の願いは、いつしかジュナの優勝になっていく。それは不可能と思われていた街の再生をジュナの再生と重ねあわせ、心から失われつつあった希望やプライドを取り戻す試合になっていく。勝負の決着は終盤まで縺れ込み、観客は試合の行く末を固唾を飲んで見守るようになる。
この映画の作りは非常に丁寧で、感情移入をしやすい。ゴルフに全く興味がない私でも、美しい視線の中、夕闇の中でプレーする姿に心打たれるものを感じる。レッドフォードの映画は、アメリカの自然を優しく映しだすことに長けている。
内容は典型的なアメリカンドリーム物かもしれないし、知名度は低い。それでも、私の中では名作と評したい、熱い魂を持った映画だ。
2011年4月16日土曜日
E3発表の任天堂のゲーム機
E3で発表予定の任天堂の新据え置き機についての続報が出てる。
注目すべきなのは2012年後半発売と言うことで、これなら納得できる。2012年年末商戦をターゲットに10-11月くらいから販売を開始するのだろう。つまり、追い込まれた任天堂は慌てて次世代据え置き機を発表して、自社の未来性をアピールすることにしたわけだ。しかしながら準備不足から新ハードの立ち上げは来年後半になると言うことになる。この辺り、Revolution(Wii)の経過と似ていると云えば似ている。本来は3DS立ち上げ成功後に、語られる予定の内容だったのだと思うが、Ds,Wii、3DSの低迷という背景の中で登場してくる事になった。重圧は大きいだろう。
性能的にもGPUがATI系で512MBでR700系列、CPUがIBM系の3コア(恐らく4コア品を1コア殺して歩留まりを良くしたモデル)で、Wiiのソフト・周辺機器と互換性を維持し、XBOX360を少し上回る性能のモデルだという。
任天堂は常に前世代モデルを少し上回るくらいの性能を目標にハードを投入するし、互換性も維持する。XBOX360よりPS3の方が製品寿命は長そうな上、CELLの存在からPS3の性能を模倣するのは困難なので、性能比較の対象がXBOX360なのもうなずける話だ。
次世代据え置き機に求められていた、Wiiのアップコンバート機能についても搭載してくる可能性は高い。PS3の初期モデルは実現していたし、この性能、タイミングでHD化しないこともあり得ない。
問題は売れるかどうかと言うことだが、この辺りはどうも微妙だ。最大のポイントは価格であることは間違いない。PS3も360もかなりこなれた価格になってきているし、ソフトの開発環境も進化しているし、ラインナップも豊富だ。任天堂のソフトという魅力だけでなく、ハードの勢いを出せるかどうかが勝負を分けることになる。NGP連動を控えるPS3との差別化は、かなり厳しいのではないだろうか。
注目すべきなのは2012年後半発売と言うことで、これなら納得できる。2012年年末商戦をターゲットに10-11月くらいから販売を開始するのだろう。つまり、追い込まれた任天堂は慌てて次世代据え置き機を発表して、自社の未来性をアピールすることにしたわけだ。しかしながら準備不足から新ハードの立ち上げは来年後半になると言うことになる。この辺り、Revolution(Wii)の経過と似ていると云えば似ている。本来は3DS立ち上げ成功後に、語られる予定の内容だったのだと思うが、Ds,Wii、3DSの低迷という背景の中で登場してくる事になった。重圧は大きいだろう。
性能的にもGPUがATI系で512MBでR700系列、CPUがIBM系の3コア(恐らく4コア品を1コア殺して歩留まりを良くしたモデル)で、Wiiのソフト・周辺機器と互換性を維持し、XBOX360を少し上回る性能のモデルだという。
任天堂は常に前世代モデルを少し上回るくらいの性能を目標にハードを投入するし、互換性も維持する。XBOX360よりPS3の方が製品寿命は長そうな上、CELLの存在からPS3の性能を模倣するのは困難なので、性能比較の対象がXBOX360なのもうなずける話だ。
次世代据え置き機に求められていた、Wiiのアップコンバート機能についても搭載してくる可能性は高い。PS3の初期モデルは実現していたし、この性能、タイミングでHD化しないこともあり得ない。
問題は売れるかどうかと言うことだが、この辺りはどうも微妙だ。最大のポイントは価格であることは間違いない。PS3も360もかなりこなれた価格になってきているし、ソフトの開発環境も進化しているし、ラインナップも豊富だ。任天堂のソフトという魅力だけでなく、ハードの勢いを出せるかどうかが勝負を分けることになる。NGP連動を控えるPS3との差別化は、かなり厳しいのではないだろうか。
2011年4月15日金曜日
任天堂が新型HDゲーム機を発表?
任天堂、6月のE3で家庭用の新型HDゲーム機を発表?
個人的には無いと感じる。確かにWiiのリリース予定は崩壊したし、3DSの売れ行きも微妙なのでこういう話が出てくることは理解できるが、技術的なリークの裏付けがない(機能があるけど、採用コアやソフト会社の感想がない)時点で、株式市場の思惑が透けて見えるなと感じる。むしろ、任天堂に対する株式市場からの要求の高まりと見るべきで、任天堂が対応できなければ、株価的には厳しくなっていくだろう。
任天堂は、今夏は3DSを盛り上げていくことに注力するはずで、4月5月6月の3ヶ月連続の自社ソフトリリースに踏み切った。3月が発売延期であいてしまったが、本来は、2,3,4,5月の連続リリースを予定していたかもしれず、実現していたらもう少し売れ行きを伸ばしていたはずだ。この任天堂の動きはよく理解できる。
第1弾となるパイロットウイングス リゾートを購入したが、期待通りの出来で楽しめた。山肌の描写などはPICA2000採用の効果が如実に出ていたように思う。しかしながら、浅いというか、歴代シリーズ作品に比べると乗り物の種類が少ないなどのボリューム不足を感じた。いつもの任天堂の仕上げ具合からすれば、粗いというか、急増した感じが伝わる。ゼルダの伝説も外部の開発会社を使っての移植作のようなので、任天堂の人手が足りていない感じが顕著に伝わってくる。現時点での容量不足が、各ソフトの採用ROMの制限なのか、初期タイトルだからなのかが気になるところだ。今後、おそらく大容量化するのではないかと思うが、大容量対応ソフトが出るまでは油断できないだろう。
6月発売のゼルダ以降は、3DSの機能向上が見えてくるだろう。コンテンツや体験版のダウンロードやWEBブラウザ。3DSは未だにブラウザも実装されていない。今後のアップデート予定に入っているが、そこまで手が回りかねている印象だ。任天堂はけしてそこまでの社員数を誇る大企業ではないので、Wii後継機に廻す人材があれば、3DSの機能充実やソフト開発を進めるだろう。据え置き機は混戦がさけられない上に、技術的要求水準が高く、環境整備も必要だし、ソフトウエアの開発期間も相対的に長くなる。3DSが立ち上がりきっていない今、発表できる段階にあることさえ信じがたい。
ということで、私は任天堂が経営戦略的に3DS中心で行くのは変らないと思う。というか、据え置き機を新規に立ち上げる財政的・人材的余力はないのではないだろうか? Wiiがあのような仕様になった背景には、ソフトウェア開発能力の低下という点があるように感じられてならない。だから、冒険せずにハードルの低いSDでの開発を進めたのではないだろうか。結果としてそれが、HD化への大きな障害として残ってしまった。だから3DS開発で、その点を克服していき、ソフトウェア能力的にも、ハードウェアの部品的にも有利になった数年後に、PS3対抗のゲーム機を開発すると思う。据え置き機をリリースするとすれば、PS4の噂が取りざたされ始めてからになると思われる。
個人的には無いと感じる。確かにWiiのリリース予定は崩壊したし、3DSの売れ行きも微妙なのでこういう話が出てくることは理解できるが、技術的なリークの裏付けがない(機能があるけど、採用コアやソフト会社の感想がない)時点で、株式市場の思惑が透けて見えるなと感じる。むしろ、任天堂に対する株式市場からの要求の高まりと見るべきで、任天堂が対応できなければ、株価的には厳しくなっていくだろう。
任天堂は、今夏は3DSを盛り上げていくことに注力するはずで、4月5月6月の3ヶ月連続の自社ソフトリリースに踏み切った。3月が発売延期であいてしまったが、本来は、2,3,4,5月の連続リリースを予定していたかもしれず、実現していたらもう少し売れ行きを伸ばしていたはずだ。この任天堂の動きはよく理解できる。
第1弾となるパイロットウイングス リゾートを購入したが、期待通りの出来で楽しめた。山肌の描写などはPICA2000採用の効果が如実に出ていたように思う。しかしながら、浅いというか、歴代シリーズ作品に比べると乗り物の種類が少ないなどのボリューム不足を感じた。いつもの任天堂の仕上げ具合からすれば、粗いというか、急増した感じが伝わる。ゼルダの伝説も外部の開発会社を使っての移植作のようなので、任天堂の人手が足りていない感じが顕著に伝わってくる。現時点での容量不足が、各ソフトの採用ROMの制限なのか、初期タイトルだからなのかが気になるところだ。今後、おそらく大容量化するのではないかと思うが、大容量対応ソフトが出るまでは油断できないだろう。
6月発売のゼルダ以降は、3DSの機能向上が見えてくるだろう。コンテンツや体験版のダウンロードやWEBブラウザ。3DSは未だにブラウザも実装されていない。今後のアップデート予定に入っているが、そこまで手が回りかねている印象だ。任天堂はけしてそこまでの社員数を誇る大企業ではないので、Wii後継機に廻す人材があれば、3DSの機能充実やソフト開発を進めるだろう。据え置き機は混戦がさけられない上に、技術的要求水準が高く、環境整備も必要だし、ソフトウエアの開発期間も相対的に長くなる。3DSが立ち上がりきっていない今、発表できる段階にあることさえ信じがたい。
ということで、私は任天堂が経営戦略的に3DS中心で行くのは変らないと思う。というか、据え置き機を新規に立ち上げる財政的・人材的余力はないのではないだろうか? Wiiがあのような仕様になった背景には、ソフトウェア開発能力の低下という点があるように感じられてならない。だから、冒険せずにハードルの低いSDでの開発を進めたのではないだろうか。結果としてそれが、HD化への大きな障害として残ってしまった。だから3DS開発で、その点を克服していき、ソフトウェア能力的にも、ハードウェアの部品的にも有利になった数年後に、PS3対抗のゲーム機を開発すると思う。据え置き機をリリースするとすれば、PS4の噂が取りざたされ始めてからになると思われる。
2011年4月11日月曜日
石原4選
石原慎太郎が都知事4期目で確定した。政治向きの話はきな臭くなるが、事後分析ということでご理解いただきたい。
今回上位に入った主要な候補は、石原氏、東国原氏、渡辺氏、小池氏の4名。小池氏は共産党なのでつねに当て馬的な要素が強い。余程、他の候補に魅力がない限りは選ばれないが、一定の支持は獲得した。状況次第では都政を握れらせてもらえる共産党という存在であり続けた。勝算は少なかったと思われるので十分善戦している。
今回評価が分かれるのは渡辺氏か。和民の創業者兼会長として有名だったし、立ち位置としては東国原氏と人気を二分する形となった。東国原氏が宮崎県知事として著名でなければ、渡辺氏の企業経営者としての手腕に期待が持たれただろう。今後について「白紙」と述べたが、これは頂けない。正直、今回の主要4候補の中では、次の都知事になれる可能性を秘めた候補だからだ。この理由に関しては後述する。
東国原氏は、2位につけたものの、1位とは大差となってしまった。支持層は、20代を中心に30代の半分位に食い込んでいたとも聞く。宮崎県知事としてみせた手腕と知名度、存在感から言えば極めて妥当な結果だった。震災という、現状維持に傾きやすく、TVでの露出も減る展開になったことは大きく不利になった事は否めない。結果として保守傾向が強まり、革新の機運が潰れたということか。この辺りは、衆院の民主党大勝という革新への反省から、革新的なものへの警戒感が先行したのかもしれない。つまり東国原氏は、期せずして安定志向でなく、革新志向の候補として見られた節がある。若者層の支持を集めたのもそれがひとつの証拠だろう。東国原氏の場合、選挙戦略としてはむしろ、革新より安定安心志向にする方が選挙に勝てるだろう。バランス的には、もう少し重さが必要と思われる。
今回巷でよく言われるように、東国原氏と渡辺氏で票を奪い合うという展開も見られた。混戦になれば勝機があると思ったのだと思うが、結果として現職優位になった事は指摘したい。
上記を踏まえて次の都知事選を考えると、4候補の中で圧倒的に優位に立つのは渡辺氏だ。石原都知事はさすがに次回は年齢が制限にかかる可能性が高い。今回の当選も、震災直後でなければ有り得ないと考える。東国原氏は、資金的に勝つか分からない4年後の為に浪人し続ける程の財力はないと考える。元々国政志向が強く、政治家として続けるなら次の衆院選ないし参院選に打って出る可能性は高く、支持が磐石な石原都政の終わりをのんびりと待つ余裕は無いはずだ。
渡辺氏は、財産もある上に露出機会も多い。今まで強かった介護や福祉方面へ顔を売りつつ、東国原氏よりは保守、石原氏よりは若く、安定的な手腕を持っている点を4年かけてPRしていけば、十分、次の都知事選の本命になり得る。おそらく今後は知事よりも衆院選に注目が集まるため、敢てそこを外して都政に専念する姿勢を見せるほうがPRできる。
その為には、支持が厚い現職の石原都知事と親密になった上で、大筋で路線を踏襲すること。和民の会長職に戻らずに、都知事候補になることをいち早くアピールすることだ。それさえ出来れば有力候補になり得たが、「白紙」と言ってしまっている辺りはかなり甘い。嘘でも都知事に立候補すると言っておくべきだった。そうする限り、都知事候補の渡辺という肩書きでいられた。つねに顔を売れた。それをしなかったのは大きな痛手だ。所詮名誉が欲しくなった成り上がり者の政治ごっこだろ、と言われないようにしなければいけなかったはずだ。
加えて、民主党の支援を受けていた。これが渡辺氏にとってはマイナスに作用していた可能性もあるし、今後の政治家活動の戦略において制限が加わってしまった可能性もある。良い立ち位置だったが、本人の甘さで自滅していくタイプかも知れない。
最後になったが、石原氏は独裁とたたき続けられたし、老害の象徴と言われている。その物議を醸す言動も批判の対象になっているようだ。実際そういう側面はあるだろう。表現の自由問題についても懸念される候補であった。
若年層において東国原氏が圧倒的だったように、若者層の不支持が強く、反若者の象徴でもある。革新と真逆の勢力というわけだ。今回の当選によって都政に絶望した若者も多いらしい。
ただ、それでも何故、石原が選ばれたのか? 石原当選はカッチリとした現実なので、きちんと原因を探ることが不可欠なように思う。大きくは安定志向という政治的な理由だ。投票した人の過半数は石原が好きではないと答えるだろうし、別に石原のシンパではないだろう。表現の自由問題についても石原とは逆の立場かもしれない。しかし、政治というのは好き嫌いでなくて、個別の政策でもなくて、どのような流れを生むべきか、なのだ。今回について言えば、悪化するかもしれない変化はもう沢山、ということだったと思う。
繰り返すが、政治は好き嫌いではなく、よりマイナスの少ない候補で選ぶべき、なのだ。無効票としてはねられる白紙投票に意味はないし、選挙に行かないことにも意味はない。理想的な候補が現れるような奇跡を信じてはいけない。欠点が分かった上で、許容できるか否か、判断していく必要がある。それは老人も若者も変らない政治の真実だ。
本来、論じられるべきは、石原の良し悪しではない。何が一番マシか、という話だ。それは何を回避するべきか、で決まる。石原は当選したが、当選したがゆえに過去の人でもある。それより石原を当選させた流れを理解する、それが次の都知事選だけでなく、現状分析に繋がることになるはずだ。
今回上位に入った主要な候補は、石原氏、東国原氏、渡辺氏、小池氏の4名。小池氏は共産党なのでつねに当て馬的な要素が強い。余程、他の候補に魅力がない限りは選ばれないが、一定の支持は獲得した。状況次第では都政を握れらせてもらえる共産党という存在であり続けた。勝算は少なかったと思われるので十分善戦している。
今回評価が分かれるのは渡辺氏か。和民の創業者兼会長として有名だったし、立ち位置としては東国原氏と人気を二分する形となった。東国原氏が宮崎県知事として著名でなければ、渡辺氏の企業経営者としての手腕に期待が持たれただろう。今後について「白紙」と述べたが、これは頂けない。正直、今回の主要4候補の中では、次の都知事になれる可能性を秘めた候補だからだ。この理由に関しては後述する。
東国原氏は、2位につけたものの、1位とは大差となってしまった。支持層は、20代を中心に30代の半分位に食い込んでいたとも聞く。宮崎県知事としてみせた手腕と知名度、存在感から言えば極めて妥当な結果だった。震災という、現状維持に傾きやすく、TVでの露出も減る展開になったことは大きく不利になった事は否めない。結果として保守傾向が強まり、革新の機運が潰れたということか。この辺りは、衆院の民主党大勝という革新への反省から、革新的なものへの警戒感が先行したのかもしれない。つまり東国原氏は、期せずして安定志向でなく、革新志向の候補として見られた節がある。若者層の支持を集めたのもそれがひとつの証拠だろう。東国原氏の場合、選挙戦略としてはむしろ、革新より安定安心志向にする方が選挙に勝てるだろう。バランス的には、もう少し重さが必要と思われる。
今回巷でよく言われるように、東国原氏と渡辺氏で票を奪い合うという展開も見られた。混戦になれば勝機があると思ったのだと思うが、結果として現職優位になった事は指摘したい。
上記を踏まえて次の都知事選を考えると、4候補の中で圧倒的に優位に立つのは渡辺氏だ。石原都知事はさすがに次回は年齢が制限にかかる可能性が高い。今回の当選も、震災直後でなければ有り得ないと考える。東国原氏は、資金的に勝つか分からない4年後の為に浪人し続ける程の財力はないと考える。元々国政志向が強く、政治家として続けるなら次の衆院選ないし参院選に打って出る可能性は高く、支持が磐石な石原都政の終わりをのんびりと待つ余裕は無いはずだ。
渡辺氏は、財産もある上に露出機会も多い。今まで強かった介護や福祉方面へ顔を売りつつ、東国原氏よりは保守、石原氏よりは若く、安定的な手腕を持っている点を4年かけてPRしていけば、十分、次の都知事選の本命になり得る。おそらく今後は知事よりも衆院選に注目が集まるため、敢てそこを外して都政に専念する姿勢を見せるほうがPRできる。
その為には、支持が厚い現職の石原都知事と親密になった上で、大筋で路線を踏襲すること。和民の会長職に戻らずに、都知事候補になることをいち早くアピールすることだ。それさえ出来れば有力候補になり得たが、「白紙」と言ってしまっている辺りはかなり甘い。嘘でも都知事に立候補すると言っておくべきだった。そうする限り、都知事候補の渡辺という肩書きでいられた。つねに顔を売れた。それをしなかったのは大きな痛手だ。所詮名誉が欲しくなった成り上がり者の政治ごっこだろ、と言われないようにしなければいけなかったはずだ。
加えて、民主党の支援を受けていた。これが渡辺氏にとってはマイナスに作用していた可能性もあるし、今後の政治家活動の戦略において制限が加わってしまった可能性もある。良い立ち位置だったが、本人の甘さで自滅していくタイプかも知れない。
最後になったが、石原氏は独裁とたたき続けられたし、老害の象徴と言われている。その物議を醸す言動も批判の対象になっているようだ。実際そういう側面はあるだろう。表現の自由問題についても懸念される候補であった。
若年層において東国原氏が圧倒的だったように、若者層の不支持が強く、反若者の象徴でもある。革新と真逆の勢力というわけだ。今回の当選によって都政に絶望した若者も多いらしい。
ただ、それでも何故、石原が選ばれたのか? 石原当選はカッチリとした現実なので、きちんと原因を探ることが不可欠なように思う。大きくは安定志向という政治的な理由だ。投票した人の過半数は石原が好きではないと答えるだろうし、別に石原のシンパではないだろう。表現の自由問題についても石原とは逆の立場かもしれない。しかし、政治というのは好き嫌いでなくて、個別の政策でもなくて、どのような流れを生むべきか、なのだ。今回について言えば、悪化するかもしれない変化はもう沢山、ということだったと思う。
繰り返すが、政治は好き嫌いではなく、よりマイナスの少ない候補で選ぶべき、なのだ。無効票としてはねられる白紙投票に意味はないし、選挙に行かないことにも意味はない。理想的な候補が現れるような奇跡を信じてはいけない。欠点が分かった上で、許容できるか否か、判断していく必要がある。それは老人も若者も変らない政治の真実だ。
本来、論じられるべきは、石原の良し悪しではない。何が一番マシか、という話だ。それは何を回避するべきか、で決まる。石原は当選したが、当選したがゆえに過去の人でもある。それより石原を当選させた流れを理解する、それが次の都知事選だけでなく、現状分析に繋がることになるはずだ。
2011年4月8日金曜日
任天堂のきた道
期待の新ハード3DSが低調で、Wiiが死に体の今、任天堂は沈黙のまま年末商戦まで逃げ込む構えに見える。本当は夏に一山当てたいところだし、春発売予定のソフトも多数あるはずなのだが、直近に迫ったパイロットウイングスも、先行している海外の評価を見る限りでは期待できず、情勢を挽回する勢いはありそうにない。今はただひたすら、3DSを買ってもらえる強力ソフト開発に注力するほかない。
今の任天堂を評価するなら、拙速が完全に裏目に出たということになる。ライバルNGPが震災の影響で出遅れそうなことくらいが明るい材料だが、むしろゲームハードの買い控えが長期化するという意味では悪材料かもしれない。震災と実力不足で、3DS先行逃げきり戦略は崩壊した。NGPが遅れても、NGPが売れても、3DSは苦しめられるという苦境に陥ってしまっている。
今の状況が何故生まれたのか種々の要因があるが、ゲーム業界における常識の中に【リセットの必要性】がある。これが任天堂の行動原理を説明する上で重要になる。
【リセットの必要性】とは、どんなに栄華を極めたハードであってもその終わりは唐突に訪れる、というもの。アタリショックはもはやゲーム業界の神話とでも呼ぶべき存在だが、それを防ぐには、自らの手で現行ハードを葬り去るしか無い、という理論及び解釈になる。
任天堂はその理論に従い、自らの栄光を捨てるための新ハードを投入したと思われる。それが過去のスーファミであり、現在の3DSではないだろうか。つまり「DSを自らの手で壊し、3DSによる立ち上げを狙ったが失敗した」というのが現状ではないかと思われる。
任天堂はファミコンからスーパーファミコンでその実践に成功し、王者ハードの座を自社ハード間で受渡した。結果としてその成功による過信が、SONYとの軋轢とPS時代を築いてしまう事になる。だが、ゲームウォッチにより開拓され、ゲームボーイにより再開拓され延々と続いてきた携帯ゲーム市場は、他ハードの侵食も少なく、任天堂が牙城を守り続けてきた。遂にはDSで日本的大ブームにまで成長した。
任天堂はファミコン、スーファミ、Wiiのイメージが強く、据え置きゲームの王者という扱いだが、スーファミ末期以降はゲームボーイの系譜という携帯ゲーム機に逃げ場が常に存在していた。また、ハード的な制約の高い携帯ゲームの方が任天堂の社風と合致し、結果を出しやすかった。
主戦場は勿論つねに据え置きゲーム機市場だったが、携帯ゲーム機市場が任天堂の占有率が高い裏庭として存在していたことは重要だ。市場規模は小さいが、継続的な収益性で経営上計算できる存在であった事は想像に難くない。DSは結果的にPSPに対して勝利したので、任天堂の携帯ゲーム市場依存は更に高まっただろう。この辺り、任天堂のひきこもり体質、内弁慶体質と言えないこともない。
つまり任天堂は、激戦区の主戦場での敗北は折り込めるが、携帯ゲーム市場という別の戦場では圧倒的な強者でなければ会社が立ちゆかないところまできつつある。少なくともこの数年の傾向を見る限り疑いの余地はない。実際の収益性というより、株価対策という点で重要なのだろう。少なくとも今の株価水準は維持できなくなり、失敗によって更に体力が落ち込むことになるわけだ。少なくとも、据え置き機、携帯ゲーム機の2正面作戦を維持する体力は無いのだろう。複合的巨大企業であるSONYとは、そこが決定的に異なるのだ。
任天堂がウルトラ64以降のこの十数年戦い続けられたのは過去の遺産もあるが、携帯ゲーム市場という裏庭の存在も大きい。そこを侵食したのはSONYのPSPだったが、任天堂もDSで対抗し、勝利した。
我々は、DS対PSPの争いを携帯ゲーム機市場の拡大という意識でいたが、任天堂にとっては自社の裏庭の防衛という側面が強かったことになる。実際、ハードとしては、DSはWii以上の普及と成功を収めた。ドラクエが発売された、しかも売れたのが成功の頂点と言って過言ではないだろう。
が、現状を見れば分かるように、モンスターハンターで再ブレイクしたPSPはDSの魅力を翳らせた。問題はまだある。HD化や高グラフィック化が遅れた結果、任天堂のソフト開発力は大いに低下した。WiiやDSといった前世代の改良機で戦う戦略は、最初は良いのだが、改善による伸び代もなければ、開発スタッフの成長もない。アイディア勝負のゲーム開発は、既にスマートフォンで実践されてしまっている。ソフトとハード丸抱えの任天堂は、全方位に向けてレベルアップをしなければならない苦しい立場にたった。3DS先行による時間稼ぎが経営サイドの打ち出した答えで、それは必ずしも間違っては居なかったはずだが、出来上がるハードもソフトもあまりにもショボかった。任天堂は自らの巨像の大きさに判断を歪めてしまったのだろう。3DSに伸び代があるかどうか、が今の状況では重要になる。任天堂は必死にその点を模索中だろう。
任天堂はお金を持っているイメージがある。が、実際のところ、収益性をあれだけ重視していてもハードを立ち上げ、ソフトを開発し、広告もうつ、株主に還元するとなると、結構ギリギリの綱渡りをしているのではないか。
しかも組織の能力が疲弊し、長く続く携帯ゲーム市場で開発能力も低下してきているようだ。私はWii後継については否定的だけれど、3DSが駄目なら用意しないわけにはいかなくなるだろう。しかし携帯ゲーム機市場に比べて遙かに分が悪いのは確かだ。PS3に勝つのは不可能に近い。
私の見る所、任天堂には3DSで勝利する道しか残されていない。最低限、自社ソフトは100万本売れる位の市場を形成しなくてはならない。3DSの現状を見る限り大変な力不足を感じるが、任天堂がWii後継を開発してPS3に勝負するより、3DSで売れるソフトを開発する方が、まだ可能性は高いだろう。
今の任天堂を評価するなら、拙速が完全に裏目に出たということになる。ライバルNGPが震災の影響で出遅れそうなことくらいが明るい材料だが、むしろゲームハードの買い控えが長期化するという意味では悪材料かもしれない。震災と実力不足で、3DS先行逃げきり戦略は崩壊した。NGPが遅れても、NGPが売れても、3DSは苦しめられるという苦境に陥ってしまっている。
今の状況が何故生まれたのか種々の要因があるが、ゲーム業界における常識の中に【リセットの必要性】がある。これが任天堂の行動原理を説明する上で重要になる。
【リセットの必要性】とは、どんなに栄華を極めたハードであってもその終わりは唐突に訪れる、というもの。アタリショックはもはやゲーム業界の神話とでも呼ぶべき存在だが、それを防ぐには、自らの手で現行ハードを葬り去るしか無い、という理論及び解釈になる。
任天堂はその理論に従い、自らの栄光を捨てるための新ハードを投入したと思われる。それが過去のスーファミであり、現在の3DSではないだろうか。つまり「DSを自らの手で壊し、3DSによる立ち上げを狙ったが失敗した」というのが現状ではないかと思われる。
任天堂はファミコンからスーパーファミコンでその実践に成功し、王者ハードの座を自社ハード間で受渡した。結果としてその成功による過信が、SONYとの軋轢とPS時代を築いてしまう事になる。だが、ゲームウォッチにより開拓され、ゲームボーイにより再開拓され延々と続いてきた携帯ゲーム市場は、他ハードの侵食も少なく、任天堂が牙城を守り続けてきた。遂にはDSで日本的大ブームにまで成長した。
任天堂はファミコン、スーファミ、Wiiのイメージが強く、据え置きゲームの王者という扱いだが、スーファミ末期以降はゲームボーイの系譜という携帯ゲーム機に逃げ場が常に存在していた。また、ハード的な制約の高い携帯ゲームの方が任天堂の社風と合致し、結果を出しやすかった。
主戦場は勿論つねに据え置きゲーム機市場だったが、携帯ゲーム機市場が任天堂の占有率が高い裏庭として存在していたことは重要だ。市場規模は小さいが、継続的な収益性で経営上計算できる存在であった事は想像に難くない。DSは結果的にPSPに対して勝利したので、任天堂の携帯ゲーム市場依存は更に高まっただろう。この辺り、任天堂のひきこもり体質、内弁慶体質と言えないこともない。
つまり任天堂は、激戦区の主戦場での敗北は折り込めるが、携帯ゲーム市場という別の戦場では圧倒的な強者でなければ会社が立ちゆかないところまできつつある。少なくともこの数年の傾向を見る限り疑いの余地はない。実際の収益性というより、株価対策という点で重要なのだろう。少なくとも今の株価水準は維持できなくなり、失敗によって更に体力が落ち込むことになるわけだ。少なくとも、据え置き機、携帯ゲーム機の2正面作戦を維持する体力は無いのだろう。複合的巨大企業であるSONYとは、そこが決定的に異なるのだ。
任天堂がウルトラ64以降のこの十数年戦い続けられたのは過去の遺産もあるが、携帯ゲーム市場という裏庭の存在も大きい。そこを侵食したのはSONYのPSPだったが、任天堂もDSで対抗し、勝利した。
我々は、DS対PSPの争いを携帯ゲーム機市場の拡大という意識でいたが、任天堂にとっては自社の裏庭の防衛という側面が強かったことになる。実際、ハードとしては、DSはWii以上の普及と成功を収めた。ドラクエが発売された、しかも売れたのが成功の頂点と言って過言ではないだろう。
が、現状を見れば分かるように、モンスターハンターで再ブレイクしたPSPはDSの魅力を翳らせた。問題はまだある。HD化や高グラフィック化が遅れた結果、任天堂のソフト開発力は大いに低下した。WiiやDSといった前世代の改良機で戦う戦略は、最初は良いのだが、改善による伸び代もなければ、開発スタッフの成長もない。アイディア勝負のゲーム開発は、既にスマートフォンで実践されてしまっている。ソフトとハード丸抱えの任天堂は、全方位に向けてレベルアップをしなければならない苦しい立場にたった。3DS先行による時間稼ぎが経営サイドの打ち出した答えで、それは必ずしも間違っては居なかったはずだが、出来上がるハードもソフトもあまりにもショボかった。任天堂は自らの巨像の大きさに判断を歪めてしまったのだろう。3DSに伸び代があるかどうか、が今の状況では重要になる。任天堂は必死にその点を模索中だろう。
任天堂はお金を持っているイメージがある。が、実際のところ、収益性をあれだけ重視していてもハードを立ち上げ、ソフトを開発し、広告もうつ、株主に還元するとなると、結構ギリギリの綱渡りをしているのではないか。
しかも組織の能力が疲弊し、長く続く携帯ゲーム市場で開発能力も低下してきているようだ。私はWii後継については否定的だけれど、3DSが駄目なら用意しないわけにはいかなくなるだろう。しかし携帯ゲーム機市場に比べて遙かに分が悪いのは確かだ。PS3に勝つのは不可能に近い。
私の見る所、任天堂には3DSで勝利する道しか残されていない。最低限、自社ソフトは100万本売れる位の市場を形成しなくてはならない。3DSの現状を見る限り大変な力不足を感じるが、任天堂がWii後継を開発してPS3に勝負するより、3DSで売れるソフトを開発する方が、まだ可能性は高いだろう。
2011年4月7日木曜日
アナログTV
家族がTVのリモコンをバキバキに破壊する。主な原因は、複数回に及ぶ落下と水没。ビニールテープでぐるぐる巻きにしないと使用できないレベルに至ったので、ヤフオクで中古品を購入。送料込みで500円ほど。ちなみにTV付属と同じオリジナル品の中古品だ。
ダイニングのTVは、バリバリのアナログTVなので『何をやってるのかなー、自分』と思いつつも、フレッツテレビの影響で夏以降もアナログTVは存続予定なので、これでいいのかなぁ、とも思う。リモコンは500円だし、2015年までは戦えるし。一応、古いリモコンも併用の予定でいる。
フレッツテレビはデジタル視聴対策として強力だが、実際は、アナログ視聴延命効果もある。デジアナ変換がその理由で、1軒屋の場合、家の隅々までアンテナが届いて、デジタルもアナログもOKで、BSアナログ1/2も見れるのは凄い。優秀だ。
2011年の7月には周知のとおり、アナログ放送は終焉する。東日本大震災後もそのスケジュールは変更になっていないし、エコポイントも4月で終了し、7月には駆け込みでデジタルテレビを買う層も増える。その需要が一巡して落ち着いてからが、価格を含めた競争の激化が見られると思っているので、まだまだアナログテレビで延命をしておく事は賢明ではないかと考えている。フレッツテレビによるデジアナ変換は2015年3月まで。それまでに、少なくとも各社3-4回のフルモデルチェンジがあるわけで、TVの進化は劇的と予想される。焦って台数を揃える必要はないだろう。
リモコンは複数あると、ホント便利だ。リビングのデジタルTV用にも、2つ目のリモコンをヤフオクで購入している。これも掘り出し物で安く入手できた。素晴らしい。
その一方で、リビングはデジタルTVなので、家族のアナログTVを馬鹿にする風潮が否めない。個人的にアナログTV延命の優位性はそれなりにあると思っている(チャンネルが高速で切り替わるところとか、遅延の無さとか、低導入コストとか、環境への優しさ)なので、比較という意味でも、テレビの購入タイミングをズラすという意味でも、石に齧り付いてでも、ダイニングへの新TVの購入は阻止する予定だ。石頭となじられるだろうか。だが、家族の参考基準になってるのが安価なデジタルテレビではなく、高価で高性能なデジタルテレビなので、そう何台もポンポン買うものではないとも思っている。安物だとまた勝手が違うだろうに、安物の価格が家族の参考価格なんだろうな、きっと。
ま、家族は新しいテレビを望んでいるんだろうなと、薄々は分かっているけれど、断固としてそれを拒絶する、というのが私の性格だったりするのだ。
ダイニングのTVは、バリバリのアナログTVなので『何をやってるのかなー、自分』と思いつつも、フレッツテレビの影響で夏以降もアナログTVは存続予定なので、これでいいのかなぁ、とも思う。リモコンは500円だし、2015年までは戦えるし。一応、古いリモコンも併用の予定でいる。
フレッツテレビはデジタル視聴対策として強力だが、実際は、アナログ視聴延命効果もある。デジアナ変換がその理由で、1軒屋の場合、家の隅々までアンテナが届いて、デジタルもアナログもOKで、BSアナログ1/2も見れるのは凄い。優秀だ。
2011年の7月には周知のとおり、アナログ放送は終焉する。東日本大震災後もそのスケジュールは変更になっていないし、エコポイントも4月で終了し、7月には駆け込みでデジタルテレビを買う層も増える。その需要が一巡して落ち着いてからが、価格を含めた競争の激化が見られると思っているので、まだまだアナログテレビで延命をしておく事は賢明ではないかと考えている。フレッツテレビによるデジアナ変換は2015年3月まで。それまでに、少なくとも各社3-4回のフルモデルチェンジがあるわけで、TVの進化は劇的と予想される。焦って台数を揃える必要はないだろう。
リモコンは複数あると、ホント便利だ。リビングのデジタルTV用にも、2つ目のリモコンをヤフオクで購入している。これも掘り出し物で安く入手できた。素晴らしい。
その一方で、リビングはデジタルTVなので、家族のアナログTVを馬鹿にする風潮が否めない。個人的にアナログTV延命の優位性はそれなりにあると思っている(チャンネルが高速で切り替わるところとか、遅延の無さとか、低導入コストとか、環境への優しさ)なので、比較という意味でも、テレビの購入タイミングをズラすという意味でも、石に齧り付いてでも、ダイニングへの新TVの購入は阻止する予定だ。石頭となじられるだろうか。だが、家族の参考基準になってるのが安価なデジタルテレビではなく、高価で高性能なデジタルテレビなので、そう何台もポンポン買うものではないとも思っている。安物だとまた勝手が違うだろうに、安物の価格が家族の参考価格なんだろうな、きっと。
ま、家族は新しいテレビを望んでいるんだろうなと、薄々は分かっているけれど、断固としてそれを拒絶する、というのが私の性格だったりするのだ。
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