キャノンの会長職にある御手洗氏が社長に復帰することが確定した。
要は、会社のリーダーに返り咲いた、ということだ。
内田恒二(現)社長は、相談役に退くとのこと。
本人の強い意向での退陣となったようで、
なんとも大変そうな舞台裏が透けて見える。
年始の社員向けの社長挨拶とかどうだったんだろうか、気になって仕方がない。
業績も、プリンターの年末商戦が洪水の影響を受けたくらいで悪くなかった筈だ。
キャノンは光学系に強いため、そう簡単に脅かされない地位を得た会社と言える。
退職の理由は、やはり会長との確執にあると見るのが普通だろう。
御手洗氏は、経団連会長のイメージが強くていけないが、
読売のナベツネとツーカーの仲だったりするイメージや、
非正規雇用を巡る騒動が記憶に新しいところか。
極論すると、「老害」と誹られる事が多い人に見える。
一般論として、高い自己評価と現状への不満が炸裂すると良い結果は産まない。
信頼できる後継者未定という事態の異常さが、それに拍車をかけるといえる。
言いたくはないが、地位が人に磨きをかける。
である以上、会長が後見できる内に新社長を育てねばマズイ。
会長が、社長に返り咲くというのはどう見ても異常事態である。
今回の一件、どのあたりが発端かは分からないけれど、
豊臣秀吉の後継者と目されながら、秀頼が生まれて疎まれた豊臣秀次のよう。
成人した後継者を持たない豊臣家が、関ヶ原で徳川に実権を奪われたと思うと、
なんとも悲しき先例ではないだろうか。
ただ、大企業の社長なんて誰がやっても同じかもしれない。
劇的な改善をせず、現状維持なら業績が急激に傾くこともない。
御手洗氏の狙いは今のところ不明だ。
が、御手洗氏にしか見えていない水面下の危険があり、
懸命にそれに対処している所なのかもしれない。
私としては、我慢ができないのが老人の特徴である、
と捉えているが、大変興味深い実例が動くことになったものだと思う。
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